ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
アン こんにちは。アンです。ベトナムには54の民族が共存しています。それぞれの民族は独自の伝統文化を持っています。北部山岳地帯に住むティ族も例外ではありませんね。
ホアイ そうですね。ティ族出身のマ・バン・ドゥクさんは北部トェンクアン省タンハ区に住んでいますが、ティ族の伝統的文化の研究保存に力を入れています。今日のこの時間はティ族の伝統文化の保存に取り組んでいるマ・バン・ドゥクさんについてお話しましょうか?
アン はい。いいですね。ドゥクさんはトェンクアン省文化スポーツ観光局の元局長です。文化活動に携わっていた経験がある人ですから、自らの民族の文化保存活動に対する自分の責任を意識しています。
ホアイ ティ族の文化に対する幅広い知識を持っているドゥクさんはティ族の言語、服装、風俗習慣、飲食文化など、文化を様々な角度から研究しています。
アン ティ族の古い民謡を収集、記録できるように、ドゥクさんはトェンクァン省の僻地の村々にまで赴き、ティ族のお年寄りから話を聞き、記録しなければなりません。ドゥクさんは次のように語りました。
(テープ)
「トェンクァン省の面積は広いです。ティ族出身のお年寄りに出会うため、まずはじめに、地元の風習を把握した上で、これらのお年寄りと話しているうちに、彼らは昔の民謡を思い出しています。それぞれの地方の文化は独自のものです。例えば、言語も違います。ティ語ができなければ、彼らと話すことができません。私はティ族の言葉ができるので、彼らと簡単に話すことができます。彼らは昼間は畑仕事をしますから、夜になって、やっと話す時間ができます」
ホアイ ドゥクさんの話でした。では、この辺でちょっとティタイムにして、音楽をお聴きいただきましょう。
「 」 をお送りしました。
話を続けましょう。現在、ドゥクさんはティ族の古い民謡100点を収集した他、ティ族のことわざをキン族の言葉ベトナム語に翻訳しました。ドゥクさんはティ族の民謡を普及させるため、ティ族の民謡を各村の喉自慢大会に加える必要があると思っています。ドゥクさんの願いはターイ族の若者がこれらの古い民謡を保存してゆこうとする意識を持つということです。ドゥクさんは次のように語りました。
(テープ)
「各少数民族の民謡を学校のカリキュラムに取り入れる必要があります。少数民族出身の人々は自らの民族の言語、文字、民謡を守り、保存する意識を持たなければなりません。これは大きな試練です。各地方の文化活動に各少数民族の古い民謡を取り入れてゆく必要があります」
ホアイ ドゥクさんの話でした。ドゥクさんはターイ族の専門家と呼ばれています。ドゥクさんはティ族の文化に関する会議やシンポジウムに参加し、意見を寄せます。ティ族の文化研究者でもあるトン・ダイ・ホンさんは次のように語りました。
(テープ)
「ドゥクさんはティ族の文化を熱心に研究してきました。彼はティ族に関する数多くの書籍を執筆しました。彼のように、ティ族の文化の保存に全力を尽くしている人は本当に少ないです。ですから、現在、トェンクァン省の文化活動に携わっている人々の大部分は多数民族であるキン族です。彼らは若いから経験があまりありません」
ホアイ 現在、ドゥクさんは定年退職した後、書籍の執筆に多くの時間を割いています。彼はティ族の結婚式で歌われる民謡を研究、収集しています。ドゥクさんのこれらの活動はターイ族の文化保存に大きく寄与していますね。
アン そうですね。では、おしまいに歌をお聴き頂き、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
「歌」をお送りしました。
リスナーのみなさん。今日のこの時間はティ族の伝統文化の保存に取り組んでいるマ・バン・ドゥクさんについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はここで終わります。来週のこの時間に又お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban。