フクティック村の伝統的陶芸の復興に向けた取組

ハノイ便りの時間がやってまいりました。

トゥー・ハー ご機嫌いかがですか皆さん。トゥー・ハーです。

フン こんにちは。フンです。ベトナム最後の王朝・グエン朝の都がおかれた町フエはベトナム屈指の観光地です。そこからわずか1時間の所にあるフォン・ディン( Phong Dien) 県のフクティック( Phuoc Tich)村は、グエン朝時代の伝統家屋が多く残されており、国の重要文化財にも指定されていますね。

トゥー・ハー そうですね。この村は、今から500年前の王朝時代に陶芸の村として繁栄し、上質の土で作られた陶器は、王宮でも寵愛(ちょうあい)されていましたが、安いプラスチック容器の普及により、この村の伝統的陶芸が無くなる恐れに追い込まれているそうですね。

フン そうですか。今日のこの時間はフクティック村の伝統的陶芸の復興に向けた取り組みについてご紹介しましょうか。

フクティック村の伝統的陶芸の復興に向けた取組 - ảnh 1

トゥー・ハー そうですね。フク・ティック村はオー・ラウ川沿いにあります。昔、この川の渡し場にはフー・イエン( Phu Yen) 省やビン・ディン( Binh Dinh) 省まで陶器が出荷されていましたね。

フン そうですね。しかし、現在では、その光景も過去のものになりました。60年にわたり、陶芸に従事してきたフクティック村の村人であるルオン・ティ・ベ( Luong Thi Be) さんは次のように語りました。

(テープ)

「あの頃、陶器の売れ行きはとても良かったです。陶芸により、村人は立派な家屋を建築しました。しかし、現在、プラスチック製品の普及により、陶器の消費が減り、多くの人たちが、仕事を失いました」

フン このように語ったベさんは現在、村の伝統的陶芸が失われる恐れに追い込まれていることを目にして、とても悲しんでいます。ベさんと同じように、フクティック村に住むルオン・ティ・ボン( Luong Thi Vong) さんは村の伝統的工芸を維持するため、あらゆる手を尽くしています。今、だいぶ歳を取りましたが、若い世代に伝統的陶芸を教育したり、観光客にこの陶芸を紹介したりしています。ボンさんの話を聞いて見ましょう。

(テープ)

「13歳の時から、60年間、この陶芸に従事してきました。製品の売れ行きが悪く、子供たちもこの仕事をやめてしまいました。とても悲しいですが、この伝統的陶芸の維持に励んでいます」

フン ボンさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。

トゥー・ハー そうですね。 「愛するフェ」をどうぞ。

フクティック村の伝統的陶芸の復興に向けた取組 - ảnh 2

では話を続けましょう。現在、フクティック村が直面している最も大きいな課題は製品の販路を開拓するということです。そのため、伝統的陶器は主にフェ・フェスティバルなど祝祭日などに使われるため作られましたね。

フン そうですね。しかし、昨年末、JICA日本国際協力機構はフクティック村の人々を対象に、陶器の講習会を行いました。JICAの専門家であるキコさんは次のように語っています。

(日本語のテープ)

トゥー・ハー キコさんの話でした。フクティック村の職人はJICAの専門家と協力して、陶器作りの教育に取り組んでいます。その結果、村人はより美しい陶器製品を作るノウハウを身に付けることができましたね。

フン そうですね。村の若者たちも徐々に伝統的陶芸に関心を寄せるようになってきました。また、若者たちだけでなく、村に住む定年退職者らもこの陶器作りの技術を案内するコースに参加しています。その一人はボ・ティ・クイ( Vo Thi Qui) さんは次のように語っています。

(テープ)

「定年していますが、この陶芸を愛しているので、このコースに参加しました。陶器づくりに自分の気持ちを込めれば、その製品は独自の美しさになると思います。日本人の専門家の指導の下で、陶器作りに関する色々な技術を習得しました。近い将来、フクティック村の伝統工芸が復興され、村人が陶芸作りで生計を立てられるようになることを望んでいます」

フン クイさんの話でした。陶器に関する多くの見本市や展示会で、フクティック村の陶器は消費者に愛用されています。この村の陶器デザインは豊富で、独特の風合いの中に手作りならではのあたたかさ、素朴さがあるからでしょうか。。。

フクティック村の伝統的陶芸の復興に向けた取組 - ảnh 3

トゥー・ハー 多分そうですね。当面、フクティック村の伝統的陶芸の復興のための困難が山積していますが、JICAの専門家の支援が続くならば、村の古き良き陶芸文化はきっと復活することでしょう。

フン そうですね。では。おしまいに、歌をお聞き頂きながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。

トゥー・ハー リスナーのみなさん。今日のこの時間はフェ郊外のフクティック村の伝統的陶芸の復興に向けた取り組みについてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。

Chao cac ban

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