ベトナムならではの「平和の日記」展

(VOVWORLD) - 「平和の日記」展は、「平和づくりは永遠に人間の渇望である。そして、ベトナムは平和と友好の目的地である」というメッセージを世界に発信しています。

先月から、ハノイ市内のホアロ―刑務所遺跡で、ベトナムの民族解放事業に関する展示会「平和の日記」が始まっています。年末まで開かれるこの展示会は、1954年から1975年までの時期におけるベトナムの輝かしい民族解放事業を物語るものであり、ベトナムの平和回復のために反戦運動などに積極的に参加した世界各国の友人に感謝の言葉を述べるものでもあります。

ベトナムならではの「平和の日記」展 - ảnh 1 「平和の日記」展の開幕式典

ハノイ中心地の高等裁判所に隣接するホアロ―刑務所は、フランス植民地時代の1896年に、フランスが建てました。錠や蝶番などの金属類、ガラスなどはフランスから最高品質の物が輸入され、インドシナで最も堅固で大規模な刑務所の一つとなっています。そしてフランスに抵抗しようと活動していた、ベトナム人政治犯を収容する場所となり、実際、多くのベトナム人活動家がここに収容され、拷問を受け、また処刑されました。

フランスが撤退しベトナム北部が解放された1954年10月10日以降は、ベトナム政府によって使用され、1964年8月5日から1973年3月29日までは、北ベトナムで撃ち落とされたアメリカ人パイロットなどが収容されました。中でも、最も有名なパイロットは、その後アメリカの有名な政治家となった故・ジョン・マケイン上院議員です。

1993年にハノイタワー建設のためほとんどの部分が取り壊されましたが、東側の一角が史跡・博物館として整備され、現在公開されています。

「平和の日記」展がホアロ―刑務所遺跡で行われる理由の一つは、この刑務所の歴史にあります。

この展示会は、アメリカ軍が本格的にベトナム戦争に介入したことのきっかけとなる1964年8月5日のトンキン湾事件55周年、そして、ハノイが1999年7月16日にユネスコによって「平和のための都市」という称号を受けてから20周年となることをを記念するものです。展示会は、「戦争の各段階」、「平和への渇望」、そして、「明日へのメッセージ」といった3段階の展示空間に分けられています。

ベトナムならではの「平和の日記」展 - ảnh 2

「戦争の各段階」の展示空間は、ベトナム反戦運動のシンボルとなったソンミ村虐殺事件など戦争の恐ろしさを再現しているのに対し、「平和への渇望」の展示空間は、平和を渇望するベトナム人の心が世界各国の多くの人を感動させ、ベトナム反戦運動の拡大を促したことを物語っています。反戦運動は、アメリカをはじめ、ほとんどの西側諸国に広がり、ホアロ―刑務所に収容されているアメリカ人パイロットにも影響を与えました。

ベトナム歴史協会の歴史研究者ファム・マイ・フンさんは次のように話しました。

(テープ)

「この展示は、見る人に特別な感動を与えるでしょう。展示を通じて、ベトナム人民の抗米救国闘争に対する平和を愛する世界の人々の大きな支持と支援がわかるからです。この展示会は、平和への渇望と各民族の相互支援の証であると思います。」

「平和の日記」展の特筆すべき点は、外国で保存されていた多くの資料や品々が展示されていることで、これらの資料や品々を通じて、アメリカをはじめ、世界各国での反戦運動の当時の様子が浮き彫りになりました。アメリカで行われた反戦デモで参加者が胸にかけたメダルや、アメリカ兵士が発行した「反戦雑誌」などが多くの見る人の胸を打っているようです。

そして、第3空間である「明日へのメッセージ」では、戦争を過去のことにしてより明るい未来に向けてのベトナムの努力が明らかにされています。ベトナム友好諸組織連合会のグエン・フォン・ガ会長は次のように話しました。

(テープ)

「ベトナムは多くの激しい戦争を体験しましたので、平和を渇望するベトナム人の心はとても強いです。ベトナムが国の平和を守ることは世界の平和を守るという意味もあります。現在、ベトナムは他の国と協力して、世界の平和維持に取り組んでいます。ベトナムは、国際法に従って紛争を平和的な措置で解決するという終始一貫した立場を堅持しています。」

「平和の日記」展は、ハノイ市民の他、多くの外国人も引き付けています。その中で、当時の歴史に関わる人もいます。その中に、ホアロ―刑務所に収容されていたアメリカ人パイロットの息子ウィルバーさんがいます。ウィルバーさんは、「父が生きていた青年時代をさらに理解したいので展示会を見に来たが、展示会で平和への渇望がわかった」と述べ、次のように話しました。

(テープ)

「展示会に来て実感したことは、ベトナムの平和です。そして、実際のベトナムを見て、ベトナムが大きく変貌していて、平和を実感することができています。」

「平和の日記」展は、「平和づくりは永遠に人間の渇望である。そして、ベトナムは平和と友好の目的地である」というメッセージを世界に発信しています。

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