ベトナムのPKO要員 アフリカでの使命実現へ向けて
(VOVWORLD) - 今月末、ベトナム初の工兵隊がアフリカに駐屯しているPKO国連平和維持部隊に派遣される予定です。この工兵隊の士官と兵士184人は毎日派遣前研修に取り組んでおり、派遣先の平和維持、治安維持、社会経済開発、住民の生活支援などアフリカでの使命を実現させる決意を固めています。
PKOに派遣される工兵隊 |
ベトナムは2014年から国連平和維持活動に本格的に参加しました。これまでに、延べ75人の士官と兵士が国連南スーダンミッションと国連中央アフリカミッションに派遣され、全員は従軍医師とその関係者です。中でも、南スーダンで展開されている第2級野戦病院2号は「南スーダンに駐屯しているPKOの最もよい病院」や「PKOの輝かしい星」として表彰されています。特に、新型コロナ禍においてこの病院は地元の予防対策に大きく貢献していると評されています。
今回、ベトナムの初の工兵隊としてPKOに参加する部隊は南北スーダンにまたがる地域「アビエ」に派遣され、人道的支援活動や他の派遣隊員の任務遂行支援活動を行って、平和維持、国土復興、地元民の安定した生活などに貢献するという任務を担います。これまでPKOに派遣された従軍医師などが大活躍している背景の中で、工兵隊の士官と兵士は、業務中の事故対応や、自身の健康ケア、住民とのコミュニケーション、民間人への保護、パトロールなど派遣前研修に力を入れており、任務を立派に果たす決意です。
(テープ)
「私はレ・フイ・カイン大尉で、間もなくアビエに派遣される工兵隊の後方支援班の副班長です。派遣前研修では、蛇に噛まれたときや、業務上でけがをしたときなどにどうしたらいいのかよく訓練しました。士官と兵士は皆、現場で発生する可能性があるすべてのケースに対応できるようになると思います」
「私はチュ・バ・ヒエウ少佐で、地下水開発と浄水担当班の班長です。今回アビエ地域に派遣されることは、世界に貢献したいというベトナム全国民の希望を実現させるので、自分自身にとってとても光栄です。私たち工兵隊は、地元の橋や道路、そして国連平和維持部隊の拠点などを建設するほか、人道支援や畜産と栽培技術を住民に教えるなどします」
チュ・バ・ヒエウ少佐 |
一方、テレビや写真を見てアビエ地域の貧しさがわかったレ・ドン・チュオン中尉は、地元の住民がボロボロのテントの代わりにしっかりとした家に住み、十分な食事をし、子どもが学校に通うことができるようになるように、微力ながらできる限りのことをしたいと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「私の最大の希望は委託される任務を全うすることです。その中で、地元の人々に畜産と栽培の技術を教えたり、家を建てたりするなどしてできるだけ支援するつもりです。これにより、彼らの生活がよくなると思います」
グエン・ティ・タイン・ハイ少佐の子どもはまだ小さいですが、アビエ地域の子どもたちの姿を見て、子どもと離れてアビエへ赴くことにしました。ハイさんの話です。
(テープ)
「テレビなどマスメディアでアビエ地域の風景を見てびっくりしました。向こうの路上で私の子どもと同じ年齢の子どもが大変な暮らしをしている風景があったからです。こうした子どもたちを助けたいという気持ちがあって、アビエへ赴くことにしました。微力ながらも、世界の平和維持にも貢献したいと思います」
国防省傘下の工兵部隊の政治副担当コン・マイン・フン大佐は、ベトナムは世界の平和維持を自国の平和と密接に関係するものと見なしており、PKOにできるだけ貢献する意向があると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「かつて、ベトナムが侵略された時、アフリカを含む世界各国の支援を受けました。そのため、平和に恵まれているベトナムは紛争下にある国を支援したいのです。平和の価値を深く理解しているベトナムは数え切れないほどの犠牲により取り戻した平和を維持するために全力を尽くしています」
PKOに派遣される工兵隊の士官と兵士たちは、こうした信念を持ってアビエ地域へ赴く決意をしています。