ホアイ こんにちは、ホアイです。
ソン こんにちは、ソンです。今日のハノイ便りはベトナムの博物館についてお伝えします。
ホアイ 興味がありますね。博物館は、その国の歴史や文化を物語る重要な存在です。博物館を見ると、その国の人々が自国の歴史や文化をどのように大切にしているのかわかりますね。
ソン そうですね。ベトナムでは、博物館システムが長年構築されました。統計によりますと、現在、全国には、国レベルと省レベルの公立博物館が134ヶ所、私立博物館が31ヶ所あります。
ホーチミン市内の戦争証跡博物館を見学している外国人観光客
ホアイ 2000年代の前に、「博物館はつまらない」とか、「行くのは外国人だけ」というようなコメントがよくありましたが、近年、国と社会全体の関心によって博物館システムは新しい姿を見せていると言われていますね。
ソン そうですね。その中でも、民族学博物館、女性博物館、軍事歴史博物館、戦争証跡博物館などが目立っていますね。
ホアイ そうです。これらの博物館は、外国人観光客だけでなく、多くのベトナム人にとっても行きたいスポットになっています。展示物も豊かになっていますし、展示方法もかなり改善されています。それに、いろいろなイベントが行われていますね。ベトナム文化遺産協会のリュー・チャン・ティエウ会長は次のようにコメントしています。
(テープ)
「各博物館は、展示方法の刷新、科学技術の応用、IT化、デジタル化を進めなければなりません。博物館を学校外の教育センターにし、博物館に行く人の知識を豊かにする方針です。そして、博物館のマーケティング戦略を作成すること、博物館をよりインタラクティブにすること、博物館と観光を結びつけることなども重要です。」
ホアイ 近年、ベトナム政府は、文化遺産の保存事業において博物館を重要な役目とみなしており、博物館の発展を目指す様々な政策を取っています。
ソン 各博物館は、職人たちを招いて、伝統技術や伝統芸能などを教えるコースを開くなど、伝統的文化を現代生活で保存するという取り組みです。
ホアイ ベトナム文化スポーツ観光省遺産局のグエン・テ・フン局長の話です。
(テープ)
「国は法整備や政策展開を進め、職人たちの知恵発揮を目指しています。博物館は、職人たちの活用を通じて文化保存事業で重要な役割を果たしています。博物館の努力により、その文化は従来の価値を保ちながら保存されるだけでなく、現代生活に見合うような価値へと発展できると思います。」
民族博物館での少数民族文化の体験
ホアイ 現在、ハノイ市内にある民族学博物館は、スタッフの知恵を発揮する博物館の見本的存在ですよね。
ソン そうですね。この博物館では、伝統的な陶器やおもちゃ、菅笠などの作り方を教える教室を開いています。この教室で、職人たちは昔から伝わる技術を教えます。
ホアイ また、各地方の伝統的な祭りや儀式、習慣などを紹介する説明会がよく行われています。これらの説明会で、その地方の人たちが直接説明してくれます。例えば、少数民族ムオン族の葬儀やモン族の結婚に関する習慣の説明会は多くのハノイ市民の注目を集めました。民族学博物館のヴォ・クアン・チョン館長は次のように話しています。
(テープ)
「博物館での文化保存は社会の認識向上に役立つと思います。博物館はその文化に関するものを展示するだけでなく、その文化を体験するチャンスを人々に与えるイベントも行うのです。」
ホアイ ベトナムの博物館は、「見せる博物館」から「生きている博物館」へと変わっていますね。
ソン そうですね。ベトナム中部高原地帯テイグエン地方のダクラク省ブオンマトゥオート市内にあるダクラク博物館は、「生きている博物館」の模範として知られています。
ホアイ テイグエン地方は、少数民族の居住地で、独特な文化が豊富です。ダクラク博物館では、テイグエン地方関連の1万2千以上の現物を保存しています。ダクラク博物館は、それらの現物を展示すると共に、少数民族の人々を招いてその現物が使われた空間を作るというイベントをよく行っています。
ソン 例えば、テイグエン地方の少数民族にとって最も重要な財産とされている銅鑼の演奏は博物館の見学者を魅了しています。
ホアイ そして、テイグエン地方の少数民族の生活を移したモノクロ写真の展示室では、その民族の人たちを招いて、その写真のように生活様式を再現するというイベントも行われます。見学者の一人グエン・タイン・アン さんの話です。
(テープ)
「ダクラク博物館を訪れましたが、モノクロ写真の展示室は印象的でした。モノクロ写真ですが、地元の人々のパフォーマンスを加えるのはすごくわかりやすいです。例えば、1950年代の生活様式を再現するパフォーマンスは私にとって特別な体験でした。」
ホアイ これからも、ダクラク博物館は、そのようなパフォーマンスをさらに行うことにしました。ダクラク省文化スポーツ観光局のダン・ザ・ズアン副局長は次のように語りました。
(テープ)
「私たちは少数民族エデ族の村の集会所をダクラク博物館に建てて、その集会所で、エデ族の銅鑼演奏や行事などを再現する予定です。そして、テイグエン地方の木製の象の展示室を開き、その展示室で、職人を招いて象の作り方を説明する勉強会を行います。」
ホアイ こうした努力により、博物館は観光客だけでなく、市民にとっても魅力的なスポットとなりますね。ではおしまいに一曲をお送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。今日のハノイ便りは、ベトナムの博物館についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。