ベトナムの読書文化の普及を目指す「ベトナムの書籍の日」
(VOVWORLD) -2016年に行われたアンケート調査結果によりますと、ベトナム人はアジア地域の多くの国と比べて、本を読む時間がはるかに少ないということが分かりました。
だれもが人間の生活に対する本の重要な役割を否定していませんがインターネット技術や、DVDの登場、携帯電話の高機能化といった情報通信技術が急速に発展し、読書文化が衰退しているのも事実です。特に、読書が趣味という子供も少なくなっています。
2016年に行われたアンケート調査結果によりますと、ベトナム人はアジア地域の多くの国と比べて、本を読む時間がはるかに少ないということが分かりました。具体的には、常に本を読むというベトナム人の割合は30%で、時々本を読む人の割合は44%、そして、全然本を読まない人の割合は26%にのぼっています。また、ベトナム人の一週間の読書時間は平均1時間以内ですが、日本人の場合は4時間、韓国人は3時間ということです。
ベトナムでの読書習慣をより多くの人に根付かせるため、2014年、ベトナム首相は毎年の4月21日を「ベトナム書籍の日」とする決定に署名しました。それ以来、毎年4月21日の「ベトナム書籍の日」と「読書の日」には、様々な活動が全国各地で展開されています。今年は「文化振興と読書文化の普及」をテーマとしたイベントが、4月一杯、大都市を始め全国各地で開かれます。
現場の音
「ベトナム書籍の日」と「読書の日」を祝う活動は読者、著者、出版や印刷、図書館など、関連の人々を表彰し、読書文化の拡大に大きな貢献のあった個人や組織、図書を収集、広報する人々を称えることを目的としています。
今年も、全国各地では「ベトナム書籍の日」と「読書の日」にちなんだ様々な活動が行われます。その中で、読書文化をアピールし、書籍出版社の活動を支援するための「ベトナム書籍の日と読書の日を祝う出版物の発行月間」というイベントがあります。
ホーチミン市のグエンフエ・ブックストリートでは、4月19日から24日にかけて、ブックフェアが開かれ、20社の出版社が参加して千冊もの書籍が紹介されます。一方、ハノイでは4月21日から5月1日にかけて、ハノイブックストリートと国立図書館で、本を紹介する活動や読書文化を広報するための様々な活動が行われます。国立図書館の館長で、ハノイにおける「ベトナム書籍の日」と「読書の日」を祝うブックフェア組織委員会の委員長を務めるベトナム国立図書館のキエウ・トゥイ・ガ館長は次のように語りました。
(テープ)
「今年のブックフェアは対面式とオンライン方式など様々な形で行っています。メインとなる活動として、ハノイの学校の生徒を対象に、オンライン形式でお絵かきコンクールを行うというイベントを行います。特に、4月15日から21日にかけて、私たちは読者と著者との交流会を行いました。私たちは青少年を始め、すべての人々に読書文化を普及したいのです」
国立博物館で開かれたブックフェアに参加した高校生のブー・トゥ・ガンさんは次のように語りました。
(テープ)
「このブックフェアに行くことが大好きです。ここに行くと多くの本を買えるだけでなく、大勢の著者や教育者と交流できます。以前はあまり本を読みませんでしたが、このようなブックフェアを知ってから、読書が好きになりました」
一方、ハノイ市内にあるベトドゥク高校の教師グエン・グェット・ガさんは次の様に語りました。
(テープ)
「このようなブックフェアを開催するのは青少年を始め、若者たちにとって有意義な活動だと思います。ここに行くと、生徒たちは多くの本を知ることができるようになります。生徒の読書能力を向上させたいのです」
これと同時に、「国家オンラインブックフェア」が4月19日から5月20日にかけて、オンライン書籍販売サイト「Book365.vn」を通じて開催されます。このブックフェアでは全国の100社の出版社と発行会社からのおよそ4万冊の本が紹介されるほか、本に関する座談会や著者との交流会などに参加することができます。
ベトナム書籍の日と読書の日は、知識や技能、思考力の向上、人間としての品格を磨く上での書籍の重要な役割の確認や、コミュニティにおける読書習慣の普及に寄与することでしょう。