山崎 こんにちは、山崎千佳子です。
ソン こんにちは、ソンです。
山崎 この前、2016年を迎えたばかりだと思っていたら、もう1月が終わってしまいますね。早いです。そして、一週間後にはベトナムの旧正月、テトがやってきますね。
ソン はい。ベトナム人はテトの準備で忙しくしています。
山崎 テトにはいろいろなところへ出かける人も多いと思いますが、今日のハノイ便りは、コミュニティーベースドツーリズムについてです。直訳すると、地域密着型の観光事業になりますね。
ソン そうですね。ご紹介するのは、北部山岳地帯にあるライチャウ省にある村です。少数民族の人たちが多く住んでいる北部の山岳地帯は、多くの観光客を引きつけています。
山崎 前にもハノイ便りで、地元の人の家に泊まって、農作業をしたり、そこに住む人たちの生活を見聞きできる体験ツアーについてお伝えしましたよね。あれも地域密着型の観光事業ですね。
ソン はい。そのどれもに共通するのが、手つかずの自然とその美しさです。今日取り上げるライチャウ省は、省をあげての観光促進でここのところ注目されているんです。
山崎 肝入りなんですね。ライチャウ省はどの辺にありますか?
ソン ベトナム西北部の山岳地帯にあります。北は中国に接しています。ベトナムの省で最も人口が少ないんです。ライチャウ省には20もの少数民族が住んでいます。
山崎 山岳地帯だから、人口が少ないんですね。少数民族が多いと、いろいろな文化を体験できますね。。
ソン そうなんです。ライチャウ省にあるシン・スイ・ホ村は、少数民族モン族の居住地です。ライチャウ省の省都、ライチャウ市の中心部から35キロのところにあります。標高は1400メートルです。
山崎 ベトナム西北部には、地元密着型の観光事業を行っている村が多いということですが。
ソン はい。100ぐらいあるんです。みんな素朴な村ですよ。
山崎 どんな感じなんですか?
ソン 例えば、シン・スイ・ホ村に続く道の両側には、豚肉や竹の子、もち米、トウモロコシ、手織物の衣服など、モン族の特産品と言える物が売られています。村のあちこちには蘭の花が咲いていて、美しい風景を作り出しています。
山崎 いいですね。モン族の文化を誇りに思う、と言うシン・スイ・ホ村の住民(Vang A Lao)の話です。
(テープ)
「モン族には独特の祭りや横笛、口琴、舞踊などの伝統的な文化があります。特に、口琴はよく使いますね。」
山崎 口琴は口の琴と書きますね。金属や竹で作られていて、口を使って音を出す楽器ですね。ここで、一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
地元密着型の観光事業が進んでいるシン・スイ・ホ村では、地元でとれた食材を使って地元の人が作った食事を楽しむことができるそうです。
ソン 食材は、豚肉や森で採れたタケノコなどの野菜です。すべて村にあるものです。観光客が多く訪れる日には、伝統舞踊や民族楽器の演奏などの公演が行われます。民謡なども披露されます。
山崎 シン・スイ・ホ村の村長、バン・ア・チン( Vang A Chinh) さんによりますと、観光事業に携わってから、村の収入が安定しているということです。チンさんの話です。
(テープ)
「各家庭の所得が増えました。子供の学費も十分にまかなえます。村を訪れる観光客が日増しに増えているんです。観光事業に取り組む前には、行政府が行った研修に参加しました。そこで、いろいろ教えてもらって、観光業ができるようになったんです。」
山崎 シン・スイ・ホ村は、蘭の栽培や手織物、木材、そして、アクセサリーやかごなどの竹製品で観光客を引き付けているということです。ライチャウ省文化スポーツ観光局業務室長(レ・クアン・ミン)のコメントです。
(テープ)
「観光業に取り組むモン族の世帯には、食器を提供する他、専門家を呼んで食べ物の盛り付け方などを教えています。また、観光に携わる世帯は、税金が免除されます。観光業で経済活動を行っていますが、自分たち独特の文化を保存していきたいのです。」
山崎 ライチャウ省は、シン・スイ・ホ村の観光事業に融資を行っています。さらに、その質の向上のため、研修も行っているそうです。
ソン そして、ライチャウ省の省都、ライチャウ市からシン・スイ・ホ村へ至る道を拡張するために、1800億ドン、日本円でおよそ10億円が投資される計画です。
山崎 すごいですね。熱が入ってますね。道路ができると、さらに観光客は増えるでしょうね。
ソン そうですね。地域密着型観光業のモデルケースとして注目したいです。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。
(曲)
「~」をお送りしました。
今日のハノイ便りは、ライチャウ省シン・スイ・ホ村の地域密着型の観光事業についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。