(VOVWORLD) -民謡「テン」は西北部山岳地帯に主に住んでいるテイ族、ヌン族、タイ族の文化生活と切り離せないものです。これらの民族の言葉で「テン」は天地の「天」という意味ですから、テンを歌う人は村人を代表して、神様に豊作と幸福、豊かな生活を祈る人のことをいいます。
天候に恵まれることを祈る民謡テンのほか、長寿、男女の情愛、幸運などを祈るテンもあります。祭典で演奏されるテンのほか、日常生活で歌われているテンは故郷の旅情や人々の美しさを讃えるものもあります。
民謡テンは山岳地帯の多くの地方で歌われていますが、それぞれの地方によって少し違います。ランソン省の民謡テンは切ないメロディですが、トゥエンクアン省の民謡テンのテンポは速く、そして、ハザン省の民謡テンはゆるやかなリズムです。
近年、民謡テンを歌うクラブはダクラク省をはじめ、中部高原地帯テイグェン地方にある多くの地区でも設立され、この民謡が普及してきました。先月にダクラク省の省都ブオン・マー・トート市で開かれた民謡テンと琴ティンの芸術フェスティバルにはダクノン省、ラムドン省、ダクラク省などテイグエン地方の14のチームが参加しました。このフェスティバルはティグエン地方でもテンの民謡が歌い継がれることに寄与しています。
現場の音
今年のブオン・マー・トート市で開かれた民謡テンと琴ティンの芸術フェスティバルにはティグエン地方にある各地区から70演目が披露され、その内容は故郷やベトナム国土を称えたり、日常生活と生産労働活動を反映したりしています。ブオン・マー・トート市の民謡テンと琴ティンクラブの責任者であるルアン・テイ・マイさんは次のように語りました。
(テープ)
「私たちはこのフェスティバルに参加するため、この1か月間、準備してきました。最初はグループで練習しましたが、リハーサル後は週に3回集まって練習しました」
テイ族とヌン族の人々が多くが住むラムドン省では、長年にわたって、民謡テンと琴ティンが練習、公演されてきました。ラムドン省ラムハー県タンタイン村の民謡テンと琴ティン演奏クラブの副代表であるホアン・ティ・キム女史は、昔の歌のほか、今のタンタイン村では新しい歌詞の民謡テンが歌われています。
特に、今回のブオン・マー・トート市での民謡テンと琴ティンの演奏フェスティバルをはじめとする交流活動により、クラブの会員は新しい歌詞で歌われる民謡テンを学ぶことができると明らかにしました。
(テープ)
「どんな演目も素晴らしく意味のあるもので、幸せな気持ちになりました。このフェスティバルに参加することで、民謡テンを愛する多くの人々と出会い、交流できました。」
今年のフェスティバルで印象深いことは、若いのに歌が上手な「子役」が登場したということです。ブオン・マー・トート市出身のズオン・バオ・チャウ君(9歳)は、このフェスティバルに参加した最年少メンバー2人のうちの一人です。チャウ君は次のように語りました。
(テープ)
「民謡テンが大好きですから、その民謡を練習してきました。そのほか、祖母は私に琴ティンを奏でる方法を教えました。民謡テンを歌うことは私に喜びをもたらしています。私は民謡テンを皆の前で歌うことが好きです」
ブオン・マー・トート市で開かれた今年の民謡テンと琴ティンの芸術フェスティバル運営委員会のファム・テイ・ハイ・ビン副委員長は次のように語りました。
(テープ)
「私たちは、これらの祭りを通じて、ブオン・マー・トート市に住む少数民族テイ族、ヌン族、タイ族出身者のコミュニティが、自らの伝統文化の価値を維持、保存しながら、その価値を観光開発に活用し、家族と地元の生活水準の向上に貢献することを望んでいます」
ブオン・マー・トート市で開かれる民謡テンと琴ティンの芸術フェスティバルはダクラク省をはじめ、中部テイグエン地方に居住している少数民族テイ族やヌン族が自らの民族の伝統文化をPRするチャンスとなります。また、これはこのユニークな民謡を次の世代に伝え、中部ティグエン地方の文化を多様化させることにも貢献することでしょう。
現場の音