ハノイ便りの時間がやってまいりました。
ホアイ ご機嫌いかがですか皆さん。ホアイです。
フン こんにちは。フンです。ホアイさん。今日はベトナム少数民族、モン族が使っている楽器口琴「ダンモイ」( Dan moi) についてご紹介しましょうか。
ホアイ そうですね。 多分、リスナーの皆さんにとって、クチとコトと書く口琴はあまり馴染みがない楽器ですが、口琴を実際に見たことがないリスナーに言葉で説明するとすれば口琴とかジューズハープとか呼ばれている楽器ですね。日本ではアイヌのムックリも口琴と言われているようです。
フン そうですね。口琴は「枠」と「弁」で構成されており、弁を指で弾いたり紐を引いたりして振動させ、その小さな振動音を口腔内等で共鳴させ、変化させる小さな楽器です。
ホアイ 口琴は唇の形や口の中の形を変えることによって、奏でることでハーモニーが変化します。ベトナムの多くの少数民族は口琴を吹きますが、最も多く口琴を吹くのは北部山岳地帯にあるハザン省のモン族ですね。
フン そうですね。口琴はモン族の人々の娯楽の時に使う楽器であるだけでなく、若い男女が愛を告白する時の手段として利用されています。
口琴の音
ホアイ 実際に、口琴は昔から世界の多くの国々で奏でられていますが、ベトナムで、口琴はかなり前から演奏されました。口琴は元々、各少数民族の伝統的楽器の一つですが、2006年に、オランダで開かれた世界口琴フェスティバルで、ベトナム人の若いアーチスト グェンドクミンさんは最も優れた4名の芸術家の内の一人、最も若い芸術家として認められ、世界口琴協会の執行委員会委員に任命されましたね。
フン そうですね。注目すべきことはミンさんは少数民族出身の人ではないということです。また、ミンさんはベトナムだけでなく、中国、カンボジア、ドイツ、ロシア、フランスなどの世界各国の口琴を弾きました。ミンさんはベトナムの口琴の豊富さについて、次のように説明してくれました。
(テープ)
「ベトナムの口琴は竹の葉の形を取って、銅で作られました。真ん中に「鶏の舌」といった「弁」があり、これを弾くことで音を出します。他に、ベトナムには竹製の口琴があります。東南アジアの多くの国でも同様の口琴があります。この口琴の音低で暖かい音です。第3の種類の口琴は中部高原地帯ティグェン地方の各少数民族が奏でる口琴です。この形式はヨーロッパのものとほぼ同じです」
ホアイ ドクミンさんの話でした。
フン ベトナムの中部高原地帯テグェン地方に住むザライ族、バナ族、エデ族などの口琴は金属や竹製ですが、北部山岳地帯のハザン省の口琴は銅でできています。
ホアイ ハノイ旧市街にあるハンマイン通りにある口琴製造工房のオーナーであるファム・ホン・タイさんは次のように語りました。
(テープ)
「フランスやドイツを始め、外国人のお客さんはベトナムの銅製と竹製の口琴に関心を寄せています。しかし、最もお気に入りの口琴はモン族の人々が作った竹製の口琴です。これは簡単に吹けて、音がきれいだからです」
ホアイ ファム・ホン・タイさんの話でした。では、このへんで、ティータイムにしましょうか。
フン では。 口琴の音色をお聴きください。話を続けましょう。現在、北部山岳地帯のハザン省やラオカ省に住むモン族の男女は口琴を通じて、愛を告白します。口琴でモン族の民謡を吹くのは恋人のささやきのように聴こえられるようですよ。
ホアイ そうですか。しかし、時が経つにつれて、少数民族の生活に口琴を使うのは少なくなってきました。多くの文化研究者は口琴の保存に関心を示しています。文化研究者の一人であるフン・ディン・クイ氏は次のように語りました。
(テープ)
「モン族の口琴を保存するため、この楽器を各少数民族の祭りで吹くことを奨励しなければなりません。特に、若い男女が口琴の特別な意義を理解できるように教育する必要があります。若い男女が口琴の価値を紹介する訓練コースを開く方がいいと思います」
ホアイ 文化研究者 フン・ディン・クイ氏の話でした。口琴を保存するため、2008年以来、中部高原地帯ティ・グェン地方と北部山岳地帯の多くの地方は口琴演奏の訓練コースや口琴演奏コンクールなど様々な活動を行っています。
フン また、多くの地方は口琴の演奏空間を生み出すため、民間祭りを開催しています。これらの活動により、口琴が今後も引き続き保存され、ベトナムの各少数民族の独特の文化の保存に寄与することが期待されていますね。
ホアイ そうですね。では。おしまいに、。。。口琴の音色をお聴きいただきながら、今日のハノイ便りを終わりにしましょう。
ホアイ リスナーのみなさん。今日のこの時間はベトナムの口琴についてご紹介しました。それでは、今日のハノイ便りの時間はこれで終わります。来週のこの時間にまた、お会いしましょう。ごきげんよう。
Chao cac ban