(VOVWORLD) -伝説によりますと、ベトナムの最初の国家であるバンランがこのフート省で樹立されました。また、ベトナム建国の祖フン王を祀る神社がフート省に置かれています。
ご機嫌いかがですかみなさん。ハノイ便りの時間がやって参りました。
今日のこの時間は北部丘陵地帯フート省の民謡ハットスアンの維持と保存活動についてお伝えします。
フート省はベトナム北部に位置し、ハノイからおよそ80キロ離れたところにあります。北はトェンクアン省、イエンバイ省に、東はビンフック省、ハノイ市に、西はソンラ省、南はホアビン省に接しています。省都はベトチー( Viet Tri) 市で、ベトナム民族の発祥地とされています。
伝説によりますと、ベトナムの最初の国家であるバンランがこのフート省で樹立されました。また、ベトナム建国の祖フン王を祀る神社がフート省に置かれています。このようなフート省は伝統的民謡ハットスアンとフン王信仰という2つの文化遺産がユネスコにより、世界無形文化遺産として認定されました。
ハットスアンとはフート省の村々で春に行われる村祭りの期間中、神様を祀る歌です。ベトナムの最初の国家であるバンラン時代から生まれ、現在に伝わったと言われています。また、この民謡は神様を祀る歌なので、厳しい信仰の規則を遵守しなければならなりません。この民謡は独特の芸能で、歌詞と音楽、舞踊、楽器など様々な要素が結合されています。
特に、ハットスアンはフン王を祀る神社でよく上演されています。ハットスアンがユネスコ=国連教育科学文化機関により、世界無形文化遺産として認定されてから、フート省はこの文化遺産の維持、保存のため、様々な活動を展開してきました。
例えば、ハットスアンを学校の教育のカリキュラムに取り入れること、ハットスアンの歌い方のコツを教えるコースの開設、優秀な芸人を顕彰する活動などです。その中で、ハットスアンを若者に教えることは優先課題とされています。
ハットスアンがよく歌われる村々で、先輩の芸人は若者にハットスアンを熱心に教えています。ベトチー市キムドゥク村キムダイ地区の集会所で、ハットスアンの歌い方を学んでいる2人の少年は次のように語りました。
(テープ)
1・「ハットスアンは面白いので、歌い方を学ぶことが好きですよ」
2.「小学校1年の時、ハットスアンを学んでいます。ハットスアンの歌い方を学ぶのはそれほど難しくないですよ。学校の文芸公演で、よくハットスアンを公演しています」
一方、レ・スアン・グー( Le Xuan Ngu) さんなど年輩の芸人は若者にハットスアンの歌い方を教えることが熱心です。グーさんの話です。
(テープ)
「私たちは子どもたちにハットスアンの伝統的歌い方を教えています。そのため、子どもたちは一般の場所だけでなく、神社など神聖な場所で公演できます。」
現場の音
その他、フート省はハットスアンの歌い方を教えることができる芸人を育成するするため、力を入れています。これにより、フート省のハットスアンの芸人が7人から70人に増えました。また、多くのハットスアン・クラブも結成されました。
ハットスアンにかかわる19ヶ所の神社、集会所が改修されました。音楽研究者ダン・ホアン・ロアンさんは「ハットスアンは地元の人々の風俗習慣に密接につながり、共同体の信仰活動で上演されることから、これらの空間を維持することは重要な意義を持っている」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ハットスアンの上演空間を昔のまま保存するのは重要な意義を持っています。その他、ハットスアンを共同体の生活に紹介する必要があります。フート省はハットスアンの維持、保存活動を行う際に、科学者の意見を参考にしなければなりません」
国内外の人々はハットスアンを楽しむように、毎年行われるベトナム建国の祖フン王の祭りで、ハットスアンが上演されます。フート省の各神社で、観光客はハットスアンを楽しむことができます。このような取組により、近い将来、ハットスアンがきちんと維持、保存されるだけでなく、世界各国に紹介されることが期待されています。
今日のハノイ便りは、フート省の民謡ハットスアンの維持、保存活動についてお伝えしました。それでは、今日はこのへんで。