「永守賞」を初受賞したタ・カオ・ミン博士

(VOVWORLD) -さる9月3日、東京で、ハノイ工科大学電気工学部准教授で、同大学の技術開発応用研究センターのタ・カオ・ミン所長が日本の「永守賞」を受賞しました。

ホアイ こんにちは、ホアイです。

ソン こんにちは。ソンです。今日のこの時間は 「永守賞」を初受賞したタ・カオ・ミン博士についてお伝えします。

ホアイ さる9月3日、東京で、ハノイ工科大学電気工学部准教授で、同大学の技術開発応用研究センターのタ・カオ・ミン所長が日本の「永守賞」を受賞しました。

ソン ミン博士は同賞を受賞した初めてのベトナム人ですね。

ホアイ そうですね、今回はミン博士のほか、6人の日本人とタイ人1人の合計8人が受賞しました。

ソン ところで、「永守賞」ってはどんな賞なんですか?

ホアイ そうですね。京都市南区に本部を置く日本電産株式会社の創業者である永守重信氏が理事長を務める公益財団法人永守財団が、モーターに関する研究開発に邁進する研究者・開発者を応援することを目的として、同分野において国内外で優れた功績を挙げた研究者や開発者を表彰するものです。

ソン なぜ、ベトナムのミン博士が今回の「永守賞」を受賞したんですかねえ?

ホアイ ミン博士は電気モーターの研究で優れた成果を収めたんですね。そして、これらの成果が認められて、受賞につながりました。

「永守賞」を初受賞したタ・カオ・ミン博士 - ảnh 1

ソン ミン博士はいつから、電気モーターの研究を始めたんですか?

ホアイ ハノイ工科大学での勤務を始めた時ですから、1992年頃からです。

ソン その理由は何でしょうか?

ホアイ 電気モーターが人間の力に代われると思ったからのようです。ミン博士の研究は省エネ、生産の効率を向上させるように集中してきた他、人間や工業発展に奉仕し、地球の保護にも配慮しています。

ソン 1997年、ミン博士はカナダのラヴァル大学で博士号を取得しました。翌年の1998年、日本に赴き、九州大学で電気モーター制御の研究活動に携わってきました。

ホアイ ミン博士が実施した研究テーマは永久磁石リニア同期モータを用いたロープレスエレベータです。ミン博士の話を聞いてみましょう。

(テープ)

「ロープのないエレベータを一年間に渡って、集中的に研究しました。つまり、モーターだけで、カゴを上下させますが、超高層ビルの場合、カゴを連結させるローブが非常に長くて、重いため、科学者はロープレスエレベータを発明しました」

ホアイ ミン博士の名前が、九州大学の紀要にこの大学に勤務した優秀な外国人科学者の一人として記入されています。その後も、ミン博士は電気モーター分野の研究を引き続き取り組んできました。再びミン博士の話です。

(テープ)

「2年間にわたり、東京大学で研究を行った結果として2つの任務を果たしました。第一はモーターの効率を向上させる方法を見出しました。この方法の特徴は応用が簡単なので、早期に応用できるようになるということです。これは2000年、ローマで開かれたエネルギーに関する会議で高く評価されました。第二はモーターセンサーを使わずに、モーターを制御する方法です。

ホアイ そして、日本精工株式会社の研究開発センターに勤務していたミン博士はPVC=疑似ベクトル制御という制御方法を発明しました。この発明を実現する技術は日本だけでなく、アメリカやショーロッパ諸国での特許権の登録が行われました。ハノイ工科大学の研究応用と技術創造センターで10年間にわたり、ミン博士と共に仕事をしていたボー・ズイ・タイン( Vo Duy Thanh) 講師は次のように語りました。

(テープ)

「ミンさんは科学の人です。研究者として、ミンさんは完璧な人だと思います。25年前からミンさんは研究活動に乗り出しました。最初はチェコ、その後、カナダ、そして、日本で研究活動を行いました。これらの研究活動はプロフェッショナル、そのものです。ミンさんは大学だけでなく、工業分野で研究活動を行ってきました。プロとして、研究を行わなければ、ミンさんのような成功をおさめることはできないでしょう」

ホアイ 2004年、日本から帰国したミン博士はハノイ工科大学に戻ってきました。そして、2009年、ハノイ工科大学の応用研究と技術創造センターを設立しました。

ソン ベトナムでの科学研究はまだ多くの困難に直面していますが、ミン博士は意義深い多くの成果を収めています。ミン博士が担当する「電気自動車の制御システム」に関する研究テーマが発表されました。

ホアイ この研究の結果は、ベトナムにおける電気自動車に関する研究活動の前提となりそうですね。

ソン  素晴らしいですね。では、おしまいに一曲お送りしましょう。「~」です。

(曲)

「~」をお送りしました。今日のハノイ便りは、「永守賞」を初受賞したタ・カオ・ミン博士についてご紹介しました。それでは、今日はこのへんで。



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