若い女性に織り方法を教えているヒアム・ブクロンさん(右から3人目)
中部高原地帯テイグェン地方ダクラク省ブオン・マートット市エアカオ村トンジュ村落に住むエデ族のヒアム・ブクロンさんは、伝統的織物業を守る為に熱情を持つ人です。彼女は、機織り組合の創始者であるだけでなく、信頼ある村長としての役割を果たしています。
トンジュ村落に生まれ育ったヒアムさんは、自分の民族の伝統的織物業の浮き沈みについて深く理解しています。今日の近代的な生活では、織物業はだんだん衰退していく状態にあります。エデ族の織物業を復活させる為に、2003年に、ヒアムさんは現地の何人かの女性と共に、トンボン機織り協同生産組合を設立しました。トンボン織りというのはエデ族の伝統的織物のことです。当初、生産組合が作った織物は素朴なもので、種類が乏しかったため、消費者の目を引かなかったということです。しかし、ヒアムさんは、ダクラク省行政府の支援金を働きかけると共に、有名な機織り職人から技術と経験を学んで、組合員に伝えました。ヒアムさんは次のようにあきらにしました。
(テープ)
「当初、私たちが作った機織り製品は、品質は高くないし、デザインも豊ではないので、売れにくかったです。でも、織ることを愛する私は、その困難さに負けずに、努力してきたんです。自分の製品が広く知られるように、織物に関する展示会や見本市が開催されるという情報を知ると、参加をしましたよ。」
トンボン機織り協同生産組合が設立された当時、組合員数は10人だけでしたが、現在では、42人になりました。この組合の維持と発展は、エデ族の伝統的な織物業の維持に寄与しています。ヒアムさんについて、組合員の一人ホブルエン・ニエさんは次のように明らかにしています。
(テープ)
「ヒアムさんは織物を愛する人です。彼女は、私たち若い者に機織り方法を熱心に教えてくれたんです。日常生活でも、常に組合員に関心を払っています。病気にかかっている人がいれば、その人を尋ねて行きます。村人たちは彼女を大事にしていますよ。」
一方、エアカオ村人民委員会のファム・バン・チュオン委員長は「ヒアムさんは現地の経済発展と民族的文化の維持に重要な貢献をしてきた。トンジュ村落には、380世帯があり、その内にエデ族が8割を占めています。かつて、貧困世帯の割合は高かったでしたが、現在は、8世帯しかない。」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「長年にわたり、ヒアムさんは現地の多くの人々に仕事斡旋をしてきました。そのお陰で、現地住民の収入は改善されてきました。このことは、貧困解消に寄与してきました。」
仕事に対する責任感を持ち、社会活動に活発に参加する人です。さらに、彼女は、現地住民からトンジュ村落の村長として選ばれました。ヒアムさんは、経済発展と持続的貧困解消において立派な成績を収めたことで、ベトナム協同生産組合連盟から「繁栄の共同体の為の協力」という賞状と国家主席から第3等労働勲章を受賞しました。