「コメATM」と「マスクATM」を演出したホアン・トアン・アンさん
(VOVWORLD) -疫病が、低所得者を初め一般の人々の生活に多大な困難をもたらす時に、「キレイな葉が破れた葉を覆う」というベトナムの精神が明確に表れる時でもあります。
トアン・アンさん( thanhnien.vn撮影) |
新型コロナウイルス感染症がもたらしたパンデミックは、ベトナムを含む世界各国の政治、経済、社会に関わる全ての活動に影響しています。疫病が、低所得者を初め一般の人々の生活に多大な困難をもたらす時に、「キレイな葉が破れた葉を覆う」というベトナムの精神が明確に表れる時でもあります。
新型コロナウイルスがベトナム国内に発生した2020年4月初めにホーチミン市は社会的距離措置を導入しました。他の多くの企業と同様、ホアン・トアン・アンさんの会社は、営業を一時的停止せざるを得ませんでした。多くの労働者たちは仕事を失い、収入も無くなり、生活は困窮しました。そこで、トアン・アンさんは、新型コロナの影響により収入が減少し、困難な生活を送っている人々を支援するため、コメATM「自動コメ配り機」を設計することを思いつきました。
最初の自動コメ配り機は 8時間で組み立てられました。この機械はペダルを1回踏むとタンクからパイプを通じて3キロのコメが出てくる仕組みで、集まった人たちは機械の前に2メートル間隔で列を作り、順番にコメを受け取っていました。
トアン・アンさんは次のように語りました。
(テープ)
「コメATMが設置されてから、数万人の人々がコメを受け取りに来ました。全国に100台設置されたコメATMからコメを受け取った人はおよそ100万人で、ちょうどその頃、ベトナムでの新型コロナウイルスの第1波が落ちつきました。それから、どこへ行っても、自分自身が実施してきたコメATMを巡る感動的なストーリを耳にしました。自分の行動が有意義であり、多くの人々を支援してきたことに大変嬉しく思いましたよ。」
トゥアンさんが開発したコメATMは、疫病の1波の間に国内各地でおよそ40台が設置されました。その後、トアン・アンさんは、自動マスク配り機を展開することにしました。2020年8月6日に、ホーチミン市タンフー区にベトナムで初の自動マスク配り機が正式に稼働しました。
トアン・アンさんは次のように語りました。
(テープ)
「貧しい労働者にマスクを無料で配るように、自動マスク配り機を開発することにしました。感染症の拡大を防ぐために、全ての人々がマスクを着用する必要があるからと思っています。」
新型コロナウルス感染症が蔓延している中で、トアン・アンさんが開発したコメATMやマスクATMは、タイムリーな意義があり、相互支援というベトナム民族の美意識の表れとなっています。こうした貢献で、トアン・アンさんは、ベトナムの2020年の代表的な青年10人に選ばれたのでした。