(VOVWORLD) -独特な伝統的文化と文学の宝庫を受け継いでいるチャム族の詩人たちはベトナムの各少数民族の文学に新風を吹き込みました。
詩人インラサラさん |
チャム族はアウストロネシア(マレー・ポリネシア)語系に属し、マレー、インドネシア系の民族です。チャム族の人口は16万人を超え、ベトナム中部ニントゥアン省とビントゥアン省に集中する一方、フーイエン省、ビンディン省、南部アンザン省、テイニン省、ホーチミン市、そして、カンボジアにも散在しています。チャム族は居住地によって宗教や文化が異なります。
ベトナムのチャム族 はおおむね仏教徒で、カンボジアのチャム族はイスラム教徒です。また、2世紀末に中部ベトナム以南の海岸沿いにインド文化の影響の著しいチャンパ王国を建て,ヒンドゥー教や仏教を信仰しています。
独特な伝統的文化と文学の宝庫を受け継いでいるチャム族の詩人たちはベトナムの各少数民族の文学に新風を吹き込みました。今日のこの時間はそんなチャム族のいく人かの詩人をご紹介いたします。
詩人インラサラさんは1957年に、中部ニントァン省ニンフォク県カクレン・ミーギェプ村に生まれました。インラサラさんは15歳の頃から、詩を作りましたが、40歳になって、自分の詩を新聞に投稿しました。その後、インラサラさんは連続して、詩だけでなく、小説も出版しました。独特な手法があるインラサラさんの詩は読者だけでなく、文学評論家の注目を集めました。
また、インラサラさんの作品は文学の革新に大きく貢献しました。そしてチャム族の文化研究に関する20点の作品を執筆しました。インラサラさんの話です。
(テープ)
「実際、チャム族言語と文学の研究、募集、翻訳は私の主な仕事です。私はベトナム語とチャム族の言語で詩を作っています。チャム族の伝統的文学を研究することは私の詩の創作において貴重であり、参考になりました。現在、私はチャム族の現代の詩の詩集を編集しています」
その他、チャム族出身の詩人として、チャビザという詩人を抜きに語ることはできません。チャビザさんは1957年生まれで、15歳の時に、チャビザさんの詩がチャム族共同体の雑誌で掲載されました。チャビザさんはベトナム語とチャム語で詩を作っています。チャビザさんのそれぞれの作品は読者に特別な印象を残しています。
また、1975年生まれのチャム族出身の詩人ザラウ・アネクさんの詩は近代的な表現があり、1975年後生まれた世代の気持ちを表わしています。ザラウ・アネクさんの詩を聴いてみましょう。
「チャム塔は昔からのもの
人の心を奪う舞いも昔からのもの
君が歌う童謡も昔からのもの
しかし、今すべては変わってしまう」
ホーチミン市に住んでいるチャム族出身の詩人イサ・ウモさんは今年50歳ですが、2004年から詩の創作を始めました。2016年、初めて、自分の詩を紹介しました。この詩はチュオンサ群島を訪れた際に作ったものです。この詩について、イサ・ウモさんは次のように語りました。
(テープ)
「チュオンサ群島に属するシントン島に到着した時、国の海と島の領有権の防衛にあたっている兵士の取り組みを目撃して、感無量でした。本土に戻ってから、その時のことを詩にしたのです」
チャム族出身の詩人の作品はチャム族文化を豊かにする他、ベトナム各少数民族の文学の多様化に寄与することでしょう。