(VOVWORLD) -ホーチミン市3区に住み40年間も、本の修理に携わっている人がいます。彼の名は、ボ・バン・ランさん、愛称は「本のお医者さん」と呼ばれています。
ランさんの小さな家は、本の修理屋と併設されています。この家には時々、本の修理をしてもらうための常連客がやってきます。そのお客さんの話です。
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「好きな本を修理してもらいたいのです。ここのお店には随分、通っていますよ。」
「ブックス・ドクター」のランさんは広く知られています。ホーチミン市内には、本を修理できるランさんのような人は彼一人だけかもしれません。一方、他のお客さんの話です。
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「修理に出した本は、今はもう本屋さんでは販られてないんですよ。彼は丁寧に本の修理をしてくれますよ。現在、市内には本を修理できるランさん一人しかいません。」
ところで、ランさんは、幼いころからポリオの後遺症の影響で運動障害者です。1978年から現在まで「本の修理」という生計で立てています。小さな部屋の中は、いつも古い本などが積まれています。修理は殆ど手作業で行われています。ランさんの話です。
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「本の修理前の状態を調べてから、修理方法を決めます。本の修理作業は大変ですよ。ページを全て1枚づつはがして背中をクリーニングしたり、糸かがりを行い、糊で再度背固めをしたりするなどそれぞれの作業を丁寧に行うことが大切です。」
ランさんは、本の背を糸でかがって綴じたりもします。すでに腐っていて綴じた本を外して新しくステッチャーを打ち込み、新たに見返しを補強して、無線綴じで仕上げてくれます。ランさんの話です。
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「自分が仕事を身に付けることは楽しいですね。特に、この仕事が好きになっています。本を治す間に、偶然、その本に載っている言葉や物語が気に入ると、読み込んでしまいますよ。家にいるだけでも自分の知識を高めることができるからね。」
ランさんの話によりますと、一般の本は破損状態によって1日から一週間ほどの修理期間がかかるそうです。また、修理料金は2万ドンないし5万ドン、約100円から250円。ランさんは、40年間にわたり、数千冊の貴重な本の保存に寄与してきました。