(VOVWORLD) -彫刻家タ・クアン・バオ氏は、1941年に生まれ、北中部タンホア(ThanhHoa)省の出身です。
彼は、絵画や、彫刻などにおいて優れた職人となっています。2016年に、彼は、文学・芸術の部門でホーチミン賞を受賞しました。
バオさんの話です。
(テープ)
「僕は工業美術学校を卒業してから、ベトナム美術博物に赴きました。その後、徴兵、兵役に就きました。除隊後、ベトナム軍隊博物館に勤めました。」
バオさんは、ベトナムにおける大量の像を作った少数の彫刻家の一人です。彼が彫刻した像は、芸術的にも教育的にも高い価値を持っており、殆どの各地方に置かれています。彼自身はかつてのアメリカ帝国主義に抵抗する戦争に参戦したことがあったので、殆どの彫刻作品は、「戦争」、「革命」、「愛国心」などをテーマにしています。例えば、北部フート(PhuTho)省ドアンフン(DoanHung)県にある「ロー(Lo)川の勝利」と題する像です。フランスとの戦争中の1947年10月25日にロー川の周辺で、ベトナムの部隊はフランス植民主義者との戦いで勝ったため、この場所に5人の部隊の姿をモチーフにした像が置かれました。あるいは、1954年4月25日にフランス軍がデェンビエン(DienBien)省デェンビエン県タンスオン(ThanhXuong)村ニョンニャイ(NongNhai)村落に大量の爆弾を投下したため、多くの老人、女性、子どもを含む440人あまりの命が奪われました。そうした死者を弔うために、ここに設置されている像とレリーフは「ニョンニャイ慰霊塔」と名付けています。
その一方で、バオさんは、海、島、故郷、家族、恋愛などのテーマにおいても成功しています。また、バオさんは次のように明らかにしています。
(テープ)
「1975年、南部が完全に解放されてから、私と他の同僚の部隊たちは、チュオンサ群島を守るために、派遣されました。それをきっかけに、私は部隊と海、島をテーマにして、彫刻したのです。それから、島をモチーフにした彫刻作品を数年間にわたって完成させました。この作品は好評で、1980年に一等賞を獲得しましたよ。」
これまでに、彫刻家のバオさんが作った多くの彫刻作品は受賞しました。バオさんはさらに次のように語っています。
(テープ)
「中部クアンナム省にある『ケソンの勝利』と北部フート省にある『ロー川』の像は国内で最初のものでした。僕は、ケソン地方の戦場に参戦したことがありました。あそこは、かつてアメリカの軍事基地だったんだよ。ケソン作戦では、ベトナムの人民軍はアメリカ軍に勝ったが、多くの部隊が犠牲になった。だから、これらの像は、ベトナム部隊の勇敢な精神、戦闘の意志を讃えるものばかりです。これらの像を完成させるためには約4年から10年もかかりました。」
彫刻家バオさんは、現在、高齢者のため、彫刻をしませんが、依然として、芸術の為に愛を注いでいるようです。彼の家は小さな芸術博物館のように、数百もの彫刻作品が保管されています。