ベトナム人初、教育界の「ノーベル賞」トップ50に選出
(VOVWORLD) -教育界の「ノーベル賞」と言われる「グローバル・ティーチャー賞2020」のトップ50人が去る3月17日に発表されました。
フォン先生 |
北部フート省タンソン県のフォンカン高等学校の英語教師であるハ・アン・フォンさんがベトナム人として初めて、選出されました。同賞はイギリスの非営利教育団体「バーキー財団」が、2014年に創設され、教育分野で優れた功績のあった教員を表彰するものです。今回には世界各国から約12000人の教員が応募しました。
フォン先生が勤めている高等学校は、この数年間、現地における「授業と学習方法の刷新」運動に先駆けています。この学校の在学中の生徒の85%が少数民族出身ですが、フォン先生は、情報技術とインターネットを利用して、生徒たちに「越境レッスン」を効果的に活用してきました。彼女は、自分の生徒を教える傍ら、インドのスラム街や南アフリカに住む子どもに無料で教えたほか、アメリカ・カリフォルニア州でオンライン授業に参加しました。フォン先生は複数の若者に英語の勉強にやる気を与えてきたことで、「グローバル・ティーチャー賞2020」のトップ50に選ばれたのです。
フォン先生の話です。
(テープ)
「この賞を授賞されることを知り、とても驚きました。そんなことを考えていないからです。応募する時に、多くの友人、中でも外国の友人と教育界の権威のある人から支持を得ました。」
山間部イエンラップ県出身のフォンさんは、同県の少数民族寄宿学校で英語を本格的に勉強しました。当初は、インターネットに接続することは容易でなかったので、全ては、主に教師と教科書に頼っていました。しかし、彼女は、あらゆるチャンスを利用して、英語環境を作りました。例えば、外国人の友だちに宛てた手紙を書くことや、クラスメイトと英語会話を練習すること、英語新聞を翻訳すること、または、テレビの英語ニュースを聞くことなどです。その結果、2009年に、フォンさんは、高等学校の卒業試験で最高得点を獲得しました。そして、大学院卒業後、彼女は、フォンカン高等学校の英語教師として勤め、スカイプを利用して、同学校の生徒と世界各国の学校を結び付けて、オンライン英会話レッスンを実現しました。
(テープ)
「私自身が、生徒であり、そして少数民族出身の教師なので、英語を勉強するに際しての多くの困難があることを良く分っています。大学卒業の直後に、越境のレッスンを活用していました。その他、私と生徒たちは、プラスチックごみ対策プロジェクトを実施してきました。このプロジェクトには20カ国の人々が参加しました。」
「プラスチックごみにノーを言う」をテーマにしたオンライン授業では、生徒たちは、英語で自分の考えを述べます。一台のラップトップ、スカイプアカウントを持つことと、高速で安定したネット接続を整えるだけで、生徒たちは、四大陸の6カ国からの教室を結び付ける「グローバルなフォーラム」に参加することが出来ます。フォンカン高等学校のある生徒の話です。
(テープ)
「フォン先生の授業では、私たちは外国人との会話を盛り上げるが出来るので、とても好きですよ。この学習方法は、教科書ばかり使って勉強する方法と全く違い、英語の勉強のやる気を引き出します。さらに、これらを通じて私たちは、世界各国のことについて理解する一方、世界の友人にベトナムの文化を紹介することも出来ますよ。」
自分の活動についてフォン先生は次のように明らかにしました。
(テープ)
「現在、私は、マイクロソフト認定教育イノベーターでもあります。私たちのグループは各国の英語教師たちであり、各国の貧困地域に居住する生徒を対象に交代で英語を教えています。」
フォン教員について、フォンカン高等学校の副校長であるグエン・ドック・フォン教師は次のように述べています。
(テープ)
「フォン先生が使用しているオンライン授業は、学校全体に広がっています。特に、新型コロナウイルス感染症の蔓延により、生徒たちは休校している間に、この授業方法を効果的に活用してきました。」
フォン先生は、将来、持続可能な開発の目標を掲げて、英語教育に無料で使えるユーチューブチャンネルを開発すると同時に、教育に関する複数のプロジェクトを実施するため、現在計画中です。