(VOVWORLD) - 2021年、新型コロナがピークに達し、全国民の生活に大打撃を与えていることを受け、全国各地で「チャリティ食堂」や「無料のゼロドン市場」「自動コメ配り機」などの相互支援活動が盛んになってきました。これは、仁愛の精神で互いに助け合うというベトナムのよき伝統の現われです。
世論の好評を得た支援活動の一つは有名な歌手タイ・トゥイ・リンさんが提唱した「互いに愛するベトナム人」という運動でした。この運動はホーチミン市が新型コロナの第4波に襲われ、深刻な被害を受けた時に実施されたものです。ではここで、この運動についてタイ・トゥイ・リンさんに伺います。
タイ・トゥイ・リンさん(左) |
記者:トゥイ・リンさん、ボランティア運動「互いに愛するベトナム人」は効果があって好評を得ました。運動で配られた支援物資は「5ラブ」と呼ばれましたけれど、その呼び名について教えていただけないでしょうか。
トゥイ・リン:最初は「5ラブ」という呼び名がなかったです。封鎖されている地区の住民に食料品を配るためにどうすればいいのかということを考えなかったです。食料品は、コメ、麺類、野菜、お肉類といった4種類が含まれましたが、マスクや消毒剤など新型コロナ予防策用の資材もあったので、「5ラブ」と呼ばれました。この呼び名は政府が提唱したマスク、消毒、間隔、大勢で集まらない、健康申告という「5K」原則につながるからです。「5K」原則を実現させるためには、「5ラブ」が必要であると思います。さいわい、「5ラブ」はホーチミン市人民委員会から大きな応援を頂きました。
「互いに愛するベトナム人」運動のボランティアら |
記者:トゥイ・リンさんは「私にとって、社会的弱者を助けることは当然の義務であり、心に求められる責任でもある。ベトナムの人々がこんなパンデミックを乗り越えるために、ご支援を頂きたいと思う」という呼びかけを自分のSNSフェイスブックに掲載しましたが、これは印象的な呼びかけだったと思います。この呼びかけを通じてどのようなメッセージを発信したかったのですか。
トゥイ・リン:私はお金持ちではなく、小雨のようなものです。小雨が長引くと、土が柔らかくなるように、慈善活動に対する人々の認識を徐々に高めたいからです。ベトナム人ならば、誰もが自分より弱い人を助ける精神を持つことは私の希望です。先ずは分かち合いの心を持って、この心は行動へと移るはずだと思います。
誰もが自分のできる範囲で慈善活動ができると思います。その心を持つだけで、自分にふさわしい慈善活動を見つけられるでしょう。私たちが生活に感謝する気持ちを持つことは当たり前のことです。毎朝起きると、まだ息をしていることだけにより、生活に感謝しなければならないと思うからです。慈善活動は生活への感謝の気持ちの現われの一つです。これは私の生きがいです。
記者:ホーチミン市の疫病感染が抑制された後、トゥイ・リンさんは新しい感染の波に襲われているハノイに戻って、ハノイで「互いに愛するベトナム人」運動を展開しているそうですが、今年のテトにどのような慈善活動をしようと思いますか。
トゥイ・リン:この数日、私はギターや収録設備などを片付けて、家で治療を受けている感染者への支援に集中しています。「互いに愛するベトナム人」運動のボランティアたちは今年のテトに休まず、24時間体制で感染者を助ける態勢を整えています。感染者から電話があれば、できるだけ助ける決意を固めています。こうしたボランティアたちの気持ちと努力は、ハノイ市民がテトを安全に楽しめることに役立つ盾になれるように、という希望です。
記者:トゥイ・リンさんとボランティアたちがこれからも健康で意義深い慈善活動をさらに進めるよう心から願っております。ありがとうございました。