(VOVWORLD) -今年34歳のグエン・バン・ミンさんは、ハノイにあるベトナム農業学院の獣医学科の教師として活躍しています。
ここで教えるのは10年目になりますが、いつもわかりやすい授業をしたいというミンさんは、常に工夫を凝らします。ミンさんの話です。
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「授業を始める前に、その日の内容や目的にあった例を挙げて、詳しく分析します。それから、教科書に移ります。学生たちには、理論よりも実践で知識を伝えたいんです。そうすれば、いつまでも覚えていられます。」
ミン先生(右) |
学生がより実践的で専門的な仕事の体験をできるよう、ミンさんはこの学校に赴任して2年目の2009年に獣医クラブを作りました。ベトナム農業学院・獣医学科の同僚教師の話です。
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「獣医クラブに参加する学生は、獣医に関する論理的なことを深く理解できますし、その仕事や大変なことも経験できます。ミンさんの考えが成功しています。ミンさんは、家畜業者を対象に家畜の疫病対策の講座も開いているんですよ。」
さらに、学生と企業を結ぶ役割も果たしているというミンさん。フェイスブックなどのソーシャルネットワークを最大限に活用して、獣医・畜産関係のウェブサイトに学生のアルバイトや求職情報などを掲載しているのです。これが功を奏して、多くの学生が、安定した職業に就けるようになりました。ベトナム農業学院・獣医学科の学生の話です。
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「ミン先生は、私たちに求人情報を教えてくれて、企業と学生のパイプ役になってくれています。先生は、本当に熱心な人です。」
ミンさんは、ボランティア活動にも積極的に参加しています。北部の山岳地帯にあるいくつかの省に出向いて、水牛や牛の寒さ対策に関する指導を現地で直接行ったり、ハノイ郊外にある低所得層の畜産業者へ家畜の薬や化学薬品を提供してもらうよう、製薬会社に働きかけたということです。ミンさんの話です。
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「夏休みには、学生を乳牛の飼育場などに派遣します。そこで学生たちは、学校で学んだ知識を活用して、酪農家に環境衛生や科学技術を生かした畜産方法などを伝えます。こういった活動を通して、学生らは現場を体験できますし、畜産業の人達を助けることもできるのです。」
理論を実践に生かす、というミンさんの考えは、学生のレベルアップと畜産農家の発展、そのどちらにも貢献しているのです。