(VOVWORLD) -北部山間部ライチャウ省に住む少数民族ザオ族出身のタン・ミ・ザオさんは、ザオ族秘伝の薬用入浴剤の原料を活用して、一連の薬用入浴剤を研究、生産し、商品化させてきました。
ザオさん |
ザオさんは、テイバック大学の在学中に、ライチャウ省で栽培されている薬草に関わる複数の科学研究を行いました。ザオさんの話です。
(テープ)
「幼い頃から、両親と一緒にシンホー高原の薬草を取りに行きました。ある患者が薬草を使って、元気になったことを目撃したのがきっかけで、薬用植物の原料や、薬草の効能などに関心を持ったのです。家族の秘伝となる生物薬品を保ちたいと思います。」
ザオさんは、思った通り、現地で薬用植物の栽培と開発を行うことにしました。
(テープ)
「1ヘクタールの薬草を栽培するためには、およそ1億ドン、48万円程度の経費を投じなければなりません。普通の家庭にとって、この数は巨額ですが、結局現地住民を説得するようになりました。そして、私は、10年間にわたって、薬草の研究と製造に専念しました。」
それから、ザオさんは、自分の名前「ミ・ザオ」をつけた薬用入浴剤を発明するようになりました。これは、1985年生まれのザオさんのスタートアップの試みとなっています。この薬用入浴剤は、ライチャウ省の住民だけでなく、他の地方の人々からも愛用されています。疲れた時、この薬用入浴剤を使った風呂に入るとすぐに疲れが消えて、よく眠れるからです。
ザオさんが設立したミ・ザオ生産協同組合には、7人の組合員がいますが、みんな若者で、民間医薬品に情熱を持っている人々です。
組合員の一人は次のように語っています。
(テープ)
「私たちの仕事は薬用植物の苗木を栽培したり、薬草を選択したりすることから、一般農民の仕事と比べ、大変ではありませんよ。平均月収は7百万ドン~1千万ドン、約3万円∼4万円程度です。」
現在、ミ・ザオ生産協同組合は関節痛の改善に効果がある薬剤を生産し、商品化しています。ミ・ザオさんは、「今後も、この薬剤の貿易振興、PRを推進する傍ら、更なる多くの秘伝の薬を研究する」と明らかにしました。彼女によりますと、自然から与えられた貴重な薬草を持続的に保存するためには、科学技術を導入することで、薬草の品種を増やすことができるそうです。現在、ミ・ザオ生産協同組合は、現地の3つの村在住の農家と連携して、薬用植物の栽培を行っています。同生産協同組合のザン・スアン・クオン会長は、「こうした連携は、薬剤の生産への十分な原料の供給を確保する」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「貴重な薬草を栽培、保存するために、私たちは、農家の人たちに植物クローン増殖の方法を教えました。そして、彼らが栽培した全ての薬草を買い入れます。」
ミ・ザオさんのスタートアップの試みは、地元の潜在力とメリットを良好に活用すると共に、現地住民の雇用の創出と生活改善に貢献することでしょう。