サイゴン中央郵便局はパリ公社通りに位置し、向かいにはサイゴン大教会があります。観光ガイドチャン・ミン・ハイ( Tran Minh Hai) さんは次のように語りました。

（テープ）

「サイゴン中央郵便局とサイゴン大教会はホーチミン市（前はサイゴンと呼ばれる）に足を運ぶ観光客が見逃すことができない見所です。また、これはガイドブック御用達の名物スポットとなっています。この建物はフレンチコロニアル様式の建築があります。」

サイゴン中央郵便局の設計を請け負ったのは、エッフェル塔の設計で有名なギュスターブ・エッフェルの会社です。この郵便局はフランス・パリのオルセー駅（現在はオルセー美術館）の駅舎をモデルにした外観があります。オーストラリア人観光客デービッド・ルイズ( David Luiz) さんは次のように語っています。

（テープ）

「これは本当に見事な建物です。フレンチコロニアルの建築様式がいまも維持されているなんて、本当に素晴らしいですよ」

この郵便局のアーチ状の天井は奥行きがあります。正面には20本もの柱があり、柱の端にはレリーフが巧妙に施されています。正面の左右には、電話ボックスとATMが設置されています。こちらも中世ヨーロッパを感じさせるクラシックな造りです。

郵便局の中で注目を集めるのはその上にかけられている大きな地図2枚です。これらは1892年のサイゴンの地図と、1936年、ベトナム南部とカンボジアの電信網です。現在、サイゴン中央郵便局には３８ヶ所のカウンターが設置され、通常の郵便・通信業務が行われています。

サイゴン中央郵便局に足を運ぶ観光客はこの郵便局の独特な建築様式を眺めるだけでなく、昔の世界に迷い込んでしまったような空間を楽しむことができます。郵便箱や電話ボックスは昔のままの姿で保たれています。また、百年前に置かれた木製の椅子に座り、サイゴンの昔の落ち着いた雰囲気を実感できます。

サイゴン中央郵便局はサイゴン大教会と共に、現在のホーチミン市の代表的な観光スポットとなっています。