中部高原地帯テイグエン地方のダックラク省ブオンマートート市から北西へおよそ50キロ離れた所には野生象の調教で有名な集落があります。それはブオンドン県クロンナ村のドン集落です。
ドン集落に行くには自動車かバイクを利用します。行く途中、観光客は緑の陰に建てられた少数民族モノン族やエデ族の高床式の家やティグェン地方の美しい風景を見かけることでしょう。
ドン集落はセレポック川の真ん中に浮かんでいる島の中にあります。昔から、ドン集落は野生象の調教でよく知られています。ドン集落に着くと観光客は調教師の指導の下、象たちがゆっくり歩いている光景を目にします。これらの象は優しくて、観光客の前でも遠慮していません。ドン集落の観光ガイドフ・ロアンさんは次のように語りました。
(テープ)
「ここに、村人は象を人間のように大切にしています。特に、調教師は象を家族の一員として扱っています。戦争中、ここにいる象は敵軍との戦いに参加していた地元の住民と人民軍の兵士を助けていました。今日、これらの象は木材を運んだり、地元の住民の野良仕事を助けたりしています」
ドン集落には象の像が置かれた庭とクサヌップという名前の象を狩猟する王様の象が置かれています。生前、クサヌップさんはおよそ480頭の野生象を捕まえ、その中で、白い象が2頭居り、当時のタイの王様とベトナムのグェン王朝時代のバオダイ王に寄贈しました。現在、ドン集落には野生象の狩猟と調教という職業を継承したクサヌップ氏の唯一の孫であるアマコンさんの家があります。2012年、アマコンさんは102歳で死去しましたが、彼の家には生前、彼が実施した象の狩猟と調教にまつわる多くの映象や品々が保存されています。
ドン集落へ行く観光客は象に乗って、谷川を渡り、テイグェン地方の壮大な風景を鑑賞できます。これらを通じて、観光客は野生象を調教する職業やティグンエン地方の独特な文化を理解することでしょう。ドン集落で野生象を調教するイ・ティンさんは次のように語りました。
(テープ)
「象を飼育するにあたり、象の性格を理解しなければ、調教はできないでしょう。きちんと象の世話をしなければなりません。森では木の葉を、家ではバナナやサトウキビを食べさせなければなりません。また、象のエサに塩を入れると、いつまでも家から離れません。人と象は互いに愛し合う必要があります。象が病気になった時、休ませたり、薬を飲ませたりする必要があります」
ドン集落に行く観光客は森の樹木からぶら下がったかずら橋で谷川を渡る体験もできます。ドン集落から車で20分走るとヨクドン国立公園に着きます。この国立公園は昔のままの姿を保っています。夜になると観光客は高床式の家に泊まり、地元の独特の料理を味わうと共に、伝統公演を楽しむことができます。