景観地で有名なタムコックとビックドンは首都ハノイから南へおよそ120キロ離れた北部ニンビン省にあります。この名所は水面に浮かぶ奇岩が多くあることから「陸のハロン湾」とも言われています。特に、13~14世紀頃存在したベトナムの封建時代のチャン王朝にかかわる多くの歴史遺跡が残されています。
タムコックの渡し場から小舟に乗って、ゴーザンという川に沿って、水面に浮かぶ高い奇岩を抜けてゆくと一連の洞窟を見学することができます。小舟を漕ぐ女性ドゥ・ティ・ヌー ( Do Thi Nu) さんは次のように語っています。
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「漢字で表すとタムは三で、コックは洞窟という意味ですから、タムコックは3つの洞窟です。この3つの洞窟を見学する旅は2時間ほどかかります」
小舟で遊覧するとさまざまな形をした奇岩を存分に楽しめるほか、これらの奇岩にかかわる伝説を聴くことができます。しかし、景観地タムコックの最も特別な体験は水面に浮かぶ洞窟の山を抜けることです。この名所のガイドグェン・スアン・グェン ( Nguyen Xuan Nguyen) さんは次のように説明しています。
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「一番目の洞窟は大きいという意味のカーと呼ばれます。この洞窟の長さは127メートル、幅は20メートルです。この洞窟の特徴は外から見ると洞窟の内部は暗いですが、行けばいくほど明るく見えることです。行く先も見えます」
小舟で行くと2番目の洞窟は最初の洞窟から10分ぐらいのところにあります。2番目の洞窟の長さは1番目より短いです。これらの洞窟に行く途中には石灰山が続いています。これらの石灰山のふもとにはアーチ型の遺跡があり、昔、この辺一帯まで海であったことを裏付けます。
2時間にわたるクルーズを終えると、観光客は渡し場に戻ります。そこから2キロほど移動すると、ビックドンという寺に着きます。ビックドンは1428年に建立され、ニンビン省の最も名勝地とされています。先ほどの観光ガイド グェン・スアン・グェンさんは次のように語りました。
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「ビックドン寺院郡は3つの寺院からなっています。これらは下のお寺、中のお寺、そして、上のお寺です。ビックドンというのは、翠玉という意味です。」
ビックドン寺を参拝してから、観光客は暗い洞窟という意味のドントゥイに入ります。この洞窟には竜、亀、象などの動物を模った多くの鍾乳石があります。
多くの外国人観光客はタムコックとビックドンを見学した後、この一帯の美しさに驚きます。スイス人観光客Monttie Binottoさんは次のように語りました。
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「この土地を見学するのは今回が初めてです。この土地は長い文化と歴史の伝統があることを実感できます。この土地は見事な景観に恵まれているほか、地元の人々は親近感があります。この土地を探検するため、ここに2~3日宿泊しようと思います。特に、舟を漕ぐ女性の微笑みは印象的です」
タムコックとビックドンの景勝地を訪れると新鮮な空気を満喫できるだけでなく、自然に溶け込んだような気分になることでしょう。