先週のこの時間にはベトナム地図を描くとすれば、最初に筆を置くのは北部クアンニン( Quang Ninh) 省モンカイ ( Mong Cai) 市チャーコー( Tra Co) 郡にあるサービー( Sa Vi) 岬についてご紹介しましたが、今日はそのチャーコー郡にあるチャーコー集会所についてご紹介します。
チャーコー集会所は中国との国境の町モンカイの中心地からおよそ10キロ離れた所にあります。この集会所は村の真ん中にあります。村を通る道から家の軒先にかけて、漁から戻ったばかりの漁民たちが網から魚を出す作業をしているのが見えます。現在、チャーコー集会所は改修されています。チャーコー郡高齢者協会のグェン・ザオ・テー( Nguyen Giao Te) 会長は「チャーコー集会所は多くの歴史の証跡を保存しているところなので、つねに立派に建てられることを望んでいる」と明かにし、次のように語りました。
(テープ)
「かつて、ファムバンドン元国家主席がチャーコー集会所を訪れた際、「チャーコー集会所は祖国の国境警備をする兵士のようだ。この集会所を守るのは国境を守ることを意味する」と述べました。ですから、1954年の北部解放以来、この集会所は4回にわたり改修されてきました。しかし、昔の集会所の基礎と規模はそのまま保存されています」
このように語ったグェン・ザオ・テー会長は「チャーコー集会所は中国と隣接する国境地帯に建てられましたが、その建築様式はまったくベトナム風です。これは昔から、私たちの祖先が民族文化の維持に配慮してきた」と述べ、次のように語りました。
(テープ)
「チャーコー集会所は長い歴史を持つベトナム有数の集会所の一つです。ここに安置されている神様をまつる習慣や神具などはまったくベトナムのものです。1979年に国境で戦争が勃発した時、この集会所の神具は全て地元住民によりきちんと守られました。そして、1979年から1992年まで、これらの神具がベトナムの独特なものとしてイタリアで展示されたのです」
海に面したチャーコー村の集会所の広さは400平方メートルで、見事な彫刻や装飾が施されています。ホン川デルタにある他の集会所と同じように、この屋根はベトナムの独特の瓦葺の屋根です。この集会所はその昔、チャーコー村を起こした6人の神様をまつるもので、長い歳月にわたって、ベトナムの領土の主権を確認する文化、歴史の道標として維持・保存されてきました。チャーコー村の村人であるブーディンドンさんは次のように語っています。
(テープ)
「この集会所はこの土地を開拓したご先祖の恩を偲ぶために建てられましたが、それはこの地に対するベトナムの領有権を裏付ける道標としても知られています。ベトナム地図を描くとすれば、最初に筆を置くのはこの土地です。
現場の音
チャーコー集会所の前に広がる海の波は昔からチャーコー村に打ち寄せてきて、チャーコー集会所の長い歴史を見詰めているかのようです。