ベトナム最北端にあるハザン( Ha Giang) 省は岩石の高原がある地方として知られているだけでなく、地元の各少数民族の定期市も多くの観光客を引き付けています。中でも、毎週日曜日に開かれるメオバック( Meo Vac) 県の牛の市場は独特のものです。
現場の音
毎週日曜日、早朝から売り手と買い手が市場に出かけて行きます。少数民族の人々にとって、牛は大切な資産ですから、誰もが売り買いが順調に行われることを望んでいます。メオバック町に住むバン・ミ・ジン ( Vang Mi Dinh) さんは次のように語りました。
(テープ)
「今日、4頭の牛を市場に連れてきましたが、今、3頭を売りました。値段を高くふっかけていましたが、ちょっとだけです。牛1頭を売ると、およそ百万ドン、約5千円が儲かります。」
現場の音
ジンさんは牛を買いに行っているブ・ミ・ポさんと牛について話しています。ポさんは次のように語りました。
(テープ)
「家で飼育するための外見がよい牛を探しています。この前に、家の牛1頭を売り、2千万ドン、約10万円を得ましたが、今はより小さくて安い牛を買いたいのです。さっき、気に入った牛1頭を見つけましたが、1450万ドンで買いたいのに、売り手はまだ同意していません」
バン・ミ・ジンさんは牛の売買に従事しています。毎日、彼はハザン省とその周辺地域に行き、牛を買い上げます。痩せた牛を家で飼育してから、市場で売ります。
今回の市にメオバク町に住むザン・セオ・シン( Giang Seo Sinh) さんは家の牛を市場に売りにいきます。飼育している牛を売る気にはなれませんが、お金がないため仕方がありません。シンさんの話です。
(テープ)
「お金が必要ですから、この牛を1430万ドンで売ります。普通、そんな安い価格で売りません。牛を売ってトウモロコシの栽培費と日常生活費にします」
この市場に行く各少数民族の人々は牛を売り買いするだけでなく、互いに出会い、お酒を飲んだり、話をしたりする交流の場ともなっています。この市場は外国人観光客の注目を集めています。ハザン省を旅行にしているイタリア人の夫婦マルコさんは次のように語りました。
(テープ)
「この市場で、人々は牛、山羊、鶏などの家畜を売り買いしています。イタリアではこのような特別な市はありません。そのため、この市場が好きです」
牛およそ100頭がずらりと並んでいて、市場に行く人々もゆったりして売り買いします。これはハザン省の各少数民族の素朴な性格とここでの生活スタイルのあらわれでもあるでしょう。