バンロン自然保護区はニンビン省 ザービエン(Gia Vien)県にあります。その総面積は3000ヘクタールを超え、紅河デルタの最大規模の湿地帯です。この自然保護区はニンビン省ザービエン県に足を運ぶ観光客にとって見逃すことができない見所となっています。
バンロン自然保護区へのアクセスは国道1A号線に沿って、ザンカウ三叉路からさらに10キロほど行くとバンロン自然保護区の中心地に到着します。バンロン自然保護区を見学するには小船を利用しなければなりません。バンロン自然保護区を見学する最も美しい季節は夏です。その頃、道路の両側にハスの花が咲き誇っています。
バンロン自然保護区は「波のない湾」と呼ばれています。ですから、小船に乗って行くと周辺にある水面は大きな鏡のように平らです。周辺にある山がその水面に映ります。バンロン自然保護区にはおよそ1000もの洞窟があり、その中に多くの美しい洞窟があります。それぞれの洞窟は自分の名前があり、それぞれは特別な意味を持っています。聳え立っている岩石を見ながら、小船を漕ぐ女性ドゥ・ティ・テゥ ( Do Thi Theu) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ここから山の頂から麓まで刻まれたラインが見えます。これは猫が爪でひっかいたような感じです。これはダイナミックな石の絵という感じです」
しばらく進むとクアチュア( Cua Chua) という山に着きます。探検者と科学者はこの山の岩石に数百年前に描かれた不思議な絵を発見しました。バンロン自然保護区管理委員会のチャン・スアン・クアン( Tran Xuan Quang) 委員長は次のように語りました。
(テープ)
「クアチュア山の岩石には昔から描かれた大規模な絵画があります。ふだんははっきり見えませんが、水でぬらすと、その絵がはっきり見えます。これは人の姿と昔の文字です。現在、考古学者はその絵画の秘密を研究しています」
バンロン自然保護区は美しい自然風景に恵まれているだけでなく、絶滅危惧の動植物を記載するベトナムと世界のレッドブックにあるものを含め、数多くの動植物の生息地でもあります。この保護区には動物39種、植物722種が棲んでいます。ここには野鳥公園もあり、100もの種類の鳥類がいます。毎日の夕暮れ、多くの種類の野鳥と鷺はエサを求めて、湿地に集まり、見事な風景を作り出します。
特に、バンロン自然保護区には現在ベトナムのレッドブックに記載されているトラキピテクス・デラコーリという名のサル40匹が生息しています。先ほどのバンロン自然保護区管理委員会のチャン・スアン・クアン( Tran Xuan Quang) 委員長はさらに次のように語りました。
(テープ)
「バンロン自然保護区はこのサルがベトナムで最も多く生息している所とされています。肉眼で見ても、山にいるサルの姿が確認できます。その中で、ホアンクェン山は最もサルが多い所です」
現在、オランダ政府、地球環境基金、および、クックフォン国立公園の貴重な霊長類保護センターはバンロン自然保護区の希少な動物の維持、保存を支援しています。
毎年、国内外の多くの観光客はこのバンロン自然保護区を訪れています。しかし、この保護区を行くには5月から9月頃までがベストシーズンであり、お勧めです。