(VOVWORLD) -ベトナム東北部クアンニン省にあるバンドン港は、ベトナムの最初の商業港です。現在、バンドン港を擁するバンドン県は、様々なリソースによって、クアンニン省だけでなく、ベトナムの経済発展の推進力となっています。
12世紀に、当時の王様であるリー・アイン・トン王はバンドン地区で誕生し、ここをベトナム最初の港にしました。それから18世紀まで、バンドン港はベトナムと近隣諸国との貿易だけでなく、北アジアと南アジア、インド、地中海を結ぶ国際海路として重要な役割を担ってきました。
バンドン県人民委員会のグエン・ミン・チャン元委員長は、「バンドン県は国防・安全保障の面で戦略的な位置にあることから、かつては、ここで、外国の侵略者から国を守るための多くの激しい戦いが行われた。その中で、最も有名なものは13世紀にチャン・カイン・ズー将軍が北方からの元軍を撃退した戦いである。この戦いを再現した儀式がある」と明らかにし、次のように語りました。
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「この土地には、古い歴史と伝統があり、地元の人々はどこに行っても故郷のことを思っています。豊かな歴史と伝統は、この土地を誇るべき価値あるものにしています」
しかし、1980年代、90年代には、バンドン県の離島群を結ぶ交通インフラがまだ整備されていなかったため、主に海産物の水揚げで生計を立てていた住民は、生活が楽ではありませんでした。2005年にバンドン島と本土を結ぶバンドン橋が建設されたことで、この島の経済が豊かになりました。
2007年、当時の首相はバンドン経済地区の設置を決定し、2020年2月に、2040年までのバンドン経済地区建設計画案を承認しました。計画案では、バンドン県は海洋経済地区と、カジノ、高級リゾート地があるエンターテイメントの中心地として、世界各国とベトナムとの交易の玄関となるとしています。バンドン県カイロン町に20年間住んでいるドアン・ヒュ・モックさんは次のように語りました。
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「バンドン県に観光地が建設されてから、徐々に経済が発展しましたが、国際空港や高速道路が建設されてからは、さらに急速に発展しました。今では交通インフラが整備され、訪れる観光客も急増しています。地元住民は皆、未来が明るいと感じています」
2021年のバンドン県のインフラ整備への投資額はおよそ6兆ドン、日本円で約300億円に上りました。また、同年、クアンニン省は政府に対し、バンドン港を歴史遺跡群として認定する提案を承認しました。
クアンニン省はバンドン県の歴史的な価値を高め、新しい観光商品を企画し、今後、より多くの観光客の訪問を望んでいます。バンドン県人民委員会のダオ・バン・ブー副委員長は次のように語りました。
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「今後、バンドン県はクアンラン集会所、クアンラン祭りなどを始め、歴史遺産の改修を集中的に行います。これと同時に、心霊観光地、古い商業港の復旧作業への投資を呼びかけています。バンドン県をグリーンかつ、スマートシティに発展させるため、これらの目標を優先的に実施します」
2022年にバンドン・モンカイ高速道路が開通することで、ベトナム北部各省・市とASEAN諸国、中国とが陸路で結ばれ、クアンニン省の社会経済開発においてバンドン県は、ますます重要な役割を担うことになります。バンドン港は過去に重要な商業港であっただけでなく、今後も、クアンニン省を始め、北部の重要な貿易の中心地となることでしょう。