1959年5月19日、ベトナム共産党政治局と中央軍事委員会は後にホーチミンルートとなるチュオンサン山脈沿いにある軍事物資輸送ルートの建設を決定しました。このルートの目的は北部から南部の戦場に物資を支援すると共に、南部と北部との人員、資材を運ぶためのものです。戦争が終結して、平和が訪れた時、このルートに関する話や品々がホーチミンルート博物館に集められました。
ホーチミンルート博物館はハノイ市中心地から16キロ南下したハドン町にあり、1999年4月10日にオープンしました。これはチュオンソン部隊・559団の設立40周年を記念する日にあたります。ホーチミンルート博物館のガン・チャイ( Ngan Chai) 館長は「この博物館はチュオンソン部隊の英雄と功績を紹介すると共に、独立・自由のためアメリカ軍と戦ったベトナム・ラオス・カンボジアの団結精神を示している」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「ホーチミンルート博物館の前身は1968年にチュオンソン山脈で設立されたチュオンソン博物館です。当時、チュオンソン博物館の幹部は展示会を開催ため、当時の現物を収集した宣伝幹部です。その後、これらの展示会の規模が拡大され、博物館になりました。この博物館は戦争に参加していた幹部や兵士の精神を励ますことに寄与しました」
1万7千平方メートルの敷地に建設された3階建のこの博物館の総面積は28000平方メートルです。博物館の正面に入ると、チュオンソン部隊の各世代の兵士をあらわす銅のレリーフが見えます。続いて、南部への物資や武器を輸送するルートの発展の道のりに関する品々が展示されました。先ほどのホーチミンルート博物館のガン・チャイ館長はさらに次のように語りました。
(テープ)
「チュオンソン博物館は1995年に、ホーチミンルート博物館に改名されましたが、この博物館にはかつてのチュオンソン博物館の貴重な品々が保管されています。現在、この博物館には2万点の品々が保存されていますが、この3階建の展示スペースには2000の品々しか展示されていませんから、私は定期的に展示をし、保管されている品々を順番に紹介します。その他、私たちは移動展示室も設置しています」
ホーチミンルート博物館の魅力は戦闘におけるチュオンソン部隊の創造性と大きな功績、および、犠牲が科学的、かつ、生き生きに紹介されているということです。特に、この博物館はアメリカ軍の電子戦争の対応策として造られた「包囲された道」の模型を設置しました。先ほどのホーチミンルート博物館のガン・チャイ館長は「この道はベトナム人民軍の奇跡の一つで、チュオンソン部隊の意思と聡明さを示している」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「戦争中、ベトナム人民軍は夜間に物資や武器を輸送しました。しかし、アメリカ軍はレーザー技術を利用して、私たちの自動車を発見しました。その為、チュオンソン部隊は昼間においても輸送できるように、ジャングルを利用して、この囲まれる道を造りました。木々が多い所には木々を利用して、道を覆いましたが、木々が少ないところには木々を植えました。これは世界でも例を見ない道路でしょう。この道は南部の戦場に武器や物資を輸送することに大きく貢献しました」
ホーチミンルート博物館を訪れる来館者は年間数万人にのぼりました。この博物館はハノイに足を運ぶ観光客にとって、魅力的な見所となっている他、ベトナムの若者の歴史伝統を教育する場となっています。