中部高原地帯ティグェン地方を訪れる観光客はベトナムで最も広い湖とされているラク湖を見逃すことはできません。原生林に囲まれたこの湖は詩情あふれる風景に恵まれる他、ベトナムの少数民族ムノン族のルーツにまつわる伝説にも結び付いています。
ラク湖はダクラク省ブオン・マー・トート市から南へおよそ52キロ離れたラク県リエンソン町のそばに海抜500メートルに位置し、その総面積は500ヘクタールです。この湖の周辺は森林で、豊富な動植物に恵まれています。特に、ラク湖周辺には数多くの象が生息しています。ここを訪れる観光客はこの湖に水浴びしている象の姿を見かけることができます。北部港湾都市ハイフォンに住むグェン・マイン・ハ( Nguyen Manh Ha) さんは次のように語りました。
(テープ)
「ラク湖に行くと観光客は象に乗ったり、小舟に乗ったりしながら、ここでの詩的な風景を眺めることができます。また、観光客はこの湖の周辺にあるムノン族の集落を訪れたり、森林を探検したりすることもできます。私は多くの所を訪れましたが、ラク湖の独特な風景はあまりないでしょう」
ラク湖の周辺のムノン族の人々の村に野生象を調教する伝統的職業があります。ダム・ナン・ロン( Dam Nang Long) さん一家もその中の一つです。現在、ロンさん一家はラク湖の周辺で最も多くの野生象を所有する家族です。ロンさんは「ムノン族を始め、ティグェン地方の人々は象を愛している」と明らかにし、次のように語りました。
(テープ)
「野生象が調教されてから、象が村に入る儀式が執り行われます。それ以後、象は家族の一員として見なされ、名前も付けられます。また、象が死んだ場合、ムノン族の伝統的葬式と同じように埋蔵されます」
毎年、ラク湖周辺に住む人々は象が村に入る儀式、象の健康を祈る儀式など象に対する気持ちを表すための様々な祭りを行います。その他、象のレース祭りも行われます。
近年、ティグェン地方の独特な美しさを持っているラク湖を訪れる観光客が急増してきました。詩情あふれる自然風景に恵まれた他、この湖を訪れる観光客はムノン族の独特な文化を探検することもできます。この湖はティグェン地方の観光ツアーに欠かせない見所の一つとなっています。