(VOVWORLD) - ベトナム中部高原地帯テイグエン地方に住む少数民族エデ族は豊かな文化を誇っています。その中で、ドラに関する文化はエデ族の最も重要な文化ですが、現代生活の影響で、ドラの演奏は変化しています。
アコシエ村のドラチーム |
(テープ)ドラの演奏
お聞きいただいている演奏は、ダクラク省ブオンマートート市アコシエ村のドラチームが演奏した「雹(ひょう)」という曲です。雹(ひょう)が降る音を再現するこの曲は元々、村の重要な儀式でしか演奏されなかったですが、アコシエ村のドラチームが創意工夫を凝らして演奏のやり方を変えたことにより、この曲は多くの場面で演奏できるようになりました。
アコシエ村のドラチームのリーダ イ・ドゥエ・ニエ・ダムさんによりますと、村の重要な儀式では、牛などをいけにえにして神様にささげた後、村人はドラの演奏による「雹」などの曲を楽しみながら、地酒を飲みます。数時間にわたる儀式なので、これらの曲も数時間で演奏されます。イ・ドゥエさんは次のように話しました。
(テープ)
「村の儀式では、牛などをいけにえにして神様に奉納したあと、ドラの演奏が始まり、村人は地酒を飲み始めます。かつては、一つの曲を長く演奏することが一般的でしたが、近年は5分ごとにその曲を分けて、ちょっと変更して演奏するようになりました。」
アコシエ村のドラチームは「雹」という曲の他、いくつかの曲を変更しています。このやり方はドラの演奏による曲に新風を吹き込み、村の儀式に新しい雰囲気を作り出します。民間文芸の研究者ヴ・ランさんは次のように話しました。
(テープ)
「例えば、チリリアという曲は民謡のメロディーが取り入れられました。これはとても面白いです。また、「雹」という曲には叫びを取り入れました。これは、高原に降る雹の激しさを効果的に表現することができたと思います。」
アコシエ村のドラチーム |
また、アコシエ村のドラチームのこのやり方により、ドラの曲は村の儀式だけでなく、日常生活においても演奏できるようになりました。これは、エデ族の最も重要な文化の一つであるドラの演奏の保存と発展に役立っていると評されています。アコシエ村のドラチームのメンバー イ・ミップ・アユンさんは次のように話しました。
(テープ)
「これは新しいやり方ですが、ドラの伝統的な演奏を保つという効果があると思います。また、このやり方はドラだけでなく、他の伝統的な楽器にも使えると思います。」
実際、アコシエ村のドラチームのこの取り組みは村人に受け入れられ、日常生活において効果をあげています。先ほどの民間文芸の研究者ヴ・ランさんは次のように話しました。
(テープ)
「このやり方は今までのやり方と違うところがあります、よいものだと思います。これは、村人のアイデアによるものなので、民間文芸そのものです。実際、このやり方により、ドラの演奏は現代生活の要求に応えられるようになったからです。」
こうした取り組みにより、エデ族のドラ文化は現代生活に密着し、さらに発展することでしょう。