エデ族の民族衣装は、芸術、美術及び表情があると評価しています。エデ族の女性は、濃紺の手織り木綿のボートネックの長袖シャツを着用します。そして、かかとまでのロングスカートを巻きます。エデ族の女性が歩くとスカートについて飾り糸が軽く揺れて、とても可愛く見えます。一方、エデ族の男性は、前掛けのような布とＶネックの長袖シャツを着用します。男性のシャツは女性より長めです。

エデ族の伝統的な錦織の模様は世界の自然を反映しています。草や花、動物が典型的な模様です。エデ族の錦の独特さは配色で示されています。色とりどりの糸を作るため、エデ族の人々は古来から伝わってきた経験によって、木の葉や皮、根を使って、糸を染めます。白と黒は錦の主要な背景色として選ばれます。

エデ族の伝統的な錦織の模様が施された衣服を紹介しているエバンさん（左）

こうした伝統的な錦織の模様を現代衣服に取り入れるようにいろいろな創意工夫を凝らした人はクニエト村に住むホ・レー・エバンさんです。エバンさんのテーラーは、ドレスやスカート、オフィス用の衣服などを扱っており、どれでもエデ族の伝統的な錦織の模様が施されます。現代的な布は着る人に心地よい感じを与えるのに対し、伝統的な模様は衣服の独特さを作り、着る人を目立たせます。そのため、エバンさんのテーラーは顧客が多いです。顧客の一人ホ・ラム・ビャさんは、「エバンさんのテーラーの衣服は着やすいし、エデ族の民族衣装の美しさを受け継ぐものだ」と話しています。ビャさんの話です。

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「この衣服は伝統的な錦織の模様と、現代的な布・デザインとの巧みな調和によるものです。着ると、暑くなくて心地よい感じがしますよ。重要なイベントや伝統的な祭りでも着ることができる衣服です。」

エデ族の伝統的な錦織の保存と開発を生涯の事業とするエバンさんはいろいろな創意工夫を凝らしました。どんな模様をどのような衣服に施せばいいのか、そして、より多くの人にこれらの衣服を知ってもらうためにどのようにPRするのかは彼女がいつも悩んでいる課題です。エバンさんの話です。

（テープ）                          

「テーラーは職人とお客さんとの懸け橋として、これからも、エデ族の錦織の模様をより多くのお客さんに紹介したいと思います。また、アオザイなどにもエデ族の錦織の模様を施そうと思っています。そうすると、職人たちの仕事が多くなって、彼らの収入も増えますね。」

2017年以来、エバンさんはフェイスブックをはじめとするソーシャルネットワークを利用して販売促進に力を入れています。これにより、国内各地だけでなく、外国に住んでいるお客さんもいます。月に30～40の注文を受けています。これは、クニエト村の職人の収入増加につながっています。職人の一人ホ・トリム・エバンさんは次のように話しました。

（テープ）

「月に300万ドンぐらい稼いでいます。これは、夜なべ仕事の収入です。もし昼間もやれば、かなり高くなりますよ。私は昼間は仕事があるからできませんが、夜間はこのテーラーでやるので、収入が増えますよ。」

エバンさんは、衣服の他、エデ族の伝統的な錦織や籠、アクセサリーをモチーフにしたスカーフ・財布・バッグ・ベルトも作る計画があります。これは、エデ族の伝統文化の保存・開発だけでなく、地元の人々の収入増加に寄与することでしょう。