カオバン省に暮らす黒モン族の女性たちが守り続ける伝統衣装

(VOVWORLD) - ベトナム北部山岳地帯に住む少数民族モン族には、白モン、青モン、黒モン、花モンの4つの支族があります。各支族は独自の伝統衣装を持っていますが、中でも黒モン族の衣装は特徴的です。
カオバン省に暮らす黒モン族の女性たちが守り続ける伝統衣装 - ảnh 1黒モン族の民族衣装を着ている女性

カオバン省タックアン県トゥイフン村カリエン集落に暮らす黒モン族の伝統衣装は、他の支族のような鮮やかな色彩ではありませんが、繊細な模様と力強いデザインが目を引きます。彼らは濃紺の藍染め布を使った衣装を身につけることから「黒モン族」と呼ばれています。

女性の衣装は頭巾、上着、胸当て、スカート、帯、脚絆など構成は複雑です。上着は主に藍染めの布で作られ、縁取りや袖口には3-4cm幅の模様が刺繍で装飾されています。スカートは膝丈で、軽くギャザーが寄せられ優雅さを演出しています。

この伝統衣装を作るには、黒モン族の女性が布地の各部分の模様や細部を巧みに組み合わせる必要があります。この地域でモン族の民族衣装店を営むズオン・ティ・ノーンさんは、衣装作りの変遷について語りました。

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「昔は全て手作業で3-4ヶ月かかりましたが、今は市場で布を買い、ミシンを使うので10日で1セット作れます。それでも上着と胸当てだけで4日はかかります。薄手の上着は夏用、厚手は冬用です」

カオバン省に暮らす黒モン族の女性たちが守り続ける伝統衣装 - ảnh 2

黒モン族の女性の衣装の模様は主に螺旋、四角、長方形、菱形、三角形などですが、多様な模様の帯と交差する刺繍線で配置されています。これにより複雑で独特な外観が生まれ、伝統衣装を際立たせています。また、銀製の首飾りやヘアピンなどのアクセサリーも付けられます。

日常生活では現代的な服装をしていますが、結婚式や祭り、正月などの特別な日には伝統衣装を着用します。ノーンさんは次のように付け加えました。

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「昔は嫁入り前に3セットの衣装を自作しなければなりませんでしたが、今では様々な行事で着用されています」

カリエン集落の村長、ハー・ヴァン・ティエン氏は次のように語りました。

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「以前、村人たちは普段着を着ていましたが、最近では民族のアイデンティティを保持することの重要性が認識され、伝統衣装を着る機会が増えています」

タックアン県は黒モン族の文化的価値を保存するため、伝統文化を活かした観光開発も進めています。トゥイフン村の人民委員会委員長、ディン・ヴァン・ヒュー氏は次のように語りました。

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「モン族の文化的アイデンティティを保つため、各レベルの地方政権による支援が必要です。ここのモン族は非常に特徴的な伝統文化を持っているからです」」

この取り組みにより、黒モン族の伝統衣装や祭りなどの独自の文化が次世代に引き継がれることが期待されています。

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