クホ族の生活に欠かせないビーズリング

(VOVWORLD) - ビーズリングはベトナム中部高原地帯テイグエン地方に暮らす少数民族クホ族の生活に欠かせない存在です。ビーズリングは、財産であり装飾品でもありますが、恋愛と結婚を始め、精神生活に重要な役割を果たしています。
クホ族の生活に欠かせないビーズリング - ảnh 1数個のビーズリングをかけているクホ族の女性

ラムドン省ラムハ県リエンハ村の村長リエン・ホット・ハブルンさんによりますと、かつて、中部沿岸のチャム族がクホ族の特産物を交換するためにメノウでできたビーズを贈りました。そのため、メノウでできたビーズは貨幣として使われ、経済的余裕と権力を示しました。お金持ちとは一杯のビーズリングを持つ人であると考えられていました。一般人は数個のビーズリングしか持っていませんでしたが、いくら貧しくても数個のビーズだけは持てるようにしたとしています。ハブルン村長の話です。

(テープ)

「かつて、ビーズはメノウでできていました。このビーズはチャム族と特産品を交換することを通じて手に入れました。クホ族はメノウのビーズを作れなかったからです」

現在、メノウのビーズは少なく、ほとんどはプラスチックかガラス製です。しかし、メノウと同じく、白・黒・赤・黄色・青の5色を持たなければなりません。白は水、黒は土、赤は希望、青は空、黄色は光を象徴し、この五色は人間と自然の調和を意味すると考えられています。クホ族はこの五色を合わせて様々なビーズリングを作りました。先ほどのハブルン村長は次のように語りました。

(テープ)

「ビーズリングは4、5種類があり、その中で「グルマン」というリングは最も貴重なものです。「グルマン」リングは、最大の銅鑼と交換できて、このリングをかける人は村人にうらやまれていました」

クホ族の生活に欠かせないビーズリング - ảnh 2お客さんにビーズリングを贈っているクホ族の女性

一方、ビーズリングは女性が好む装飾品で、腕輪やネックレスとして使われるのが一般的です。また、結婚式や結婚生活に欠かせないものでもあります。クホ族にとってビーズは愛情と忠誠心を表わし、婚礼用品として使われます。これは物質的な価値のほか、新婚夫婦のつながりと忠誠心を証明する価値をも持っています。先ほどのハブルン村長は次のように語りました。

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「昔から伝わるクホ族の習慣としは、ビーズは結婚に欠かせないものとされています。また、人と人とのつながりを強くするための贈り物としても使われています。例えば、孫が祖父母を訪ねるとき、祖父母は自分の愛情を示すため、孫にビーズを贈ります」

クホ族のビーズはたくさんの種類がありますが、贈り物として使う際には、贈られる人によって変えています。ラムドン省タヌン村に暮らすロ・ム・ハタインさんは次のように語りました。

(テープ)

「ビーズは多くの種類がありますが、一番多いのは「ダイハン」と「チャイ」という2種類です。この2種類は贈り物としてよく使われています。その中で、「チャイ」というビーズは女性に、「ダイハン」は男性に贈られるということです。母系社会のクホ族は女性を家族の柱と見なしているので、価値が高いビーズ「チャイ」を女性に贈る習慣があります」

現在、ビーズは昔のような経済的な価値を持っていませんが、クホ族の精神生活にとって依然として重要な意味を持っています。

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