クメール族の独特な文化 オク・オム・ボク祭りとは

(VOVWORLD) - 先週、ベトナム南部メコンデルタの各地で、少数民族クメール族は「オク・オム・ボク」という祭りを楽しみました。オク・オム・ボクは、クメール族の最大の祭りで、この民族の文化や信仰を物語っています。
クメール族の独特な文化 オク・オム・ボク祭りとは - ảnh 1オク・オム・ボク祭りのボートレース 

ベトナムの54の民族の内、130万人の人口を擁するクメール族は最も人口が多い少数民族の一つで、チャビン省、ソクチャン省、アンザン省など、南部メコンデルタの各省に集中的に居住しています。

オク・オム・ボクとはクメール語で、「月の神様を拝み、豊作を祈願する」という意味です。クメール族の信仰では、月の神様は天候と作物を管理しています。ですから、オク・オム・ボク祭りで一番重要なのはお月さまを礼拝する儀式で、この儀式は旧暦の10月15日の夜に行われ、場所はお寺でやるのが一般的ですが、家で行なうこともあります。

お供え物は、ココナッツやバナナ、タロイモなどでほとんどがクメール族が収穫した農産物ですが、その中で、欠かせないお供え物は青いもち米から作った「コム」という食べ物です。コムは単なる食べ物ではなく、深い精神的意義のある文化的な食べ物でもあります。クメール族の人々は、神様のおかげで米をいただくと信じています。こうした米から、美味しい食べ物を作り、神様の恩に報います。その中で、一番重要なのはコムなのです。

月が昇ると、村人は月に向かって儀式を始めます。儀式はお寺の僧侶か村で威信が高い長老が司ります。礼拝が終わった後、主宰者は、子どもにコムをやりながら、希望を聞きます。子どもの答えは村人の希望にもなります。最後に、みんな、コムや果物を食べながら、歌を歌ったり、お互いの豊作を祝ったりします。南部ソクチャン省に住むクメール族の一人ド・ミン・ズンさんは次のように話しました。

(テープ)

「これは年1回しかないクメール族の伝統的な祭りです。村人は皆、祭りの準備に参加します。祭りを楽しむことが何よりですよ。」

クメール族の独特な文化 オク・オム・ボク祭りとは - ảnh 2

オク・オム・ボク祭りで、お月さまを礼拝する儀式のほか、灯篭流しやボートレース、民間遊戯、伝統的な踊りなど様々な活動も行われますが、その中で、祭りの目玉である活動は「ゴー」という船のレースです。「ゴー」(Ngo) と呼ばれる長さ22メートルから24メートルの細長い船は、クメール族の精神の拠り所で最も重要であり、寺院で大切に保管される村の重要な財産でもあります。レースは、約50人の男性が「ゴー」に乗ってスピードを競い合います。

近年、オク・オム・ボク祭りは、メコンデルタの重要な文化イベントの一つで、多くの国内外観光客をひきつけています。一人の観光客の話です。

(テープ)

「今までは、テレビなどで見ましたが、今日はクメール族のオク・オム・ボク祭りを楽しむことができました。とても素晴らしいです。また楽しみに来ますよ。」

こうしたオク・オム・ボク祭りは、クメール族の伝統文化の保存と開発だけでなく、地元の観光発展を促進させていると言えるでしょう。

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