(VOVWORLD) - 中部トゥアティエンフエ省アルオイ県に住むコトゥ(Co Tu)族には、10を超える伝統的な祭りがあり、その中でも「タック・カ・コーン(Tac Ka Coong)祭」は重要な行事です。この祭りは、村の管理下にある山、森、川、小川の神々に感謝を捧げる機会なのです。
タック・カ・コーン祭 |
(祭りの現場の音)
主な儀式には、悪魔を追い払うための木を立てる「チョー・コ」と、昔は水牛を生け贄にする「チュオット・ティ・リ」がありました。現在は生け贄の儀式はなくなっています。祭りの日の早朝、村長老と家長たちが集まり、悪魔を追い払う木を立てます。この木は村人の団結と、神々とつながる架け橋として村の中心に立てられます。次に、山、森、川、小川の神々に水牛を捧げる儀式が行われます。その後は、色鮮やかな伝統衣装を纏った若者たちが、コトゥ族の特徴的な踊り「トゥン・トゥン・ダ・ダ」を踊ります。アルオイ県ラムドット村の長老ホー・ヴァン・サップさんは次のように語ります。
(テープ)
「タック・カ・コーン祭は、昔の習わしを復元したものです。3、4年に1度しか開かれません。コトゥ族の習慣は永遠に守り続けなければなりません」
祭りの始まりは、神々への供物の儀式です。美しく清らかな心を持つコトゥ族の若者たちが選ばれ、水牛、牛、ヤギ、豚、鶏の最上の部位から料理が作られます。餅菓子のアコアット、アズー、アンコなども供えられ、すべてが神々に捧げられます。豪勢な供え物が並べられ、山、森、川、小川の神々が招かれます。人々は神々に感謝を捧げ、子孫と村の平和と繁栄を祈り、引き続き守護と幸運を与えてくれるよう願います。アルオイ県文化情報スポーツセンターのホー・ティ・トゥ副部長は次のように語りました。
(テープ)
「2年前にパコー族、タオイ族の祭りを再現しましたが、今年はコトゥ族の文化的価値と伝統的な祭りを保存、促進するため、この祭りを復活させました」
神様への祭壇 |
最近開かれた第15回トゥアティエンフエ省山岳民族文化スポーツ観光フェスティバルで、アルオイ県で初めてタック・カ・コーン祭が再現されました。参加したアルオイ県ホンハ村のレ・ティ・ジエウさんは次のように語りました。
(テープ)
「コトゥ族の祭りに参加できて誇らしいです。この伝統を学び、将来にわたって守り伝えていきたいと思います」
タック・カ・コーン祭の再現は、住民や観光客に少数民族の興味深い文化を体験する機会を提供しました。ダナン市からの観光客チャウ・ティ・ハウさんは次のような感想を述べています。
(テープ)
「この祭りを初めて知り、体験しました。この地域の少数民族の精神文化生活の豊かさに驚きました。わくわくする体験でした」
タック・カ・コーン祭は、コトゥ族が生まれ育った自然に感謝し、崇拝し、つながり続けている伝統の美しさを表しています。アルオイ県では、この祭りをコミュニティ観光に取り入れ、地域の文化とイメージを広く発信していく計画です。