タイ族の囲炉り

(VOVWORLD) - ベトナム西北部に居住している少数民族タイ族の生活において、囲炉りは重要な存在です。囲炉りは煮炊きをするところであるだけでなく、家の光と温かさを維持するところでもあります。そして、囲炉りは、竈の神様が住むところであり、悪魔を追い払うとともに、家族に平穏と幸運を祈るための場所です。

 タイ族の囲炉り - ảnh 1 タイ族の囲炉り

タイ族の伝統的な家は高床式の家です。3、4世代が共に住んでいる家族が多いので、5部屋ある家が多いです。また、高床式の家には必ず2つの台所があり、台所に欠かせないものは囲炉りです。北西部ソンラ省ソンラ市コプック村に住むタイ族の一人カ・ヴァン・チュンさんは次のように話しました。

(テープ)            

「囲炉りは高床式の家に欠かせない存在です。家族の暖かい雰囲気を保つためには囲炉りが欠かせません。家主が母方の兄弟に頼んで囲炉りを作ってもらう習慣があります。もし、母方の兄弟がいなければ、家主は自分の妻の兄弟に頼んでもいいです。その兄弟は、囲炉りを作った後、囲炉りに火を入れる最初の人でもあります。タイ族の考えでは 、囲炉りは家族の象徴であり、その家族の幸運につながるものとされています。」 

タイ族は、竈の神様は火の神様でもあり、家の暖かさを維持してくれると考えています。囲炉りは家族の食事をつくるところでもあり、家族の諸々の用事があれば、家族の人々が集まって話し合うところでもあります。そのため、いつも囲炉りの火を維持しなければなりません。ソンラ市モン村に住むタイ族の一人トン・ヴァン・ヒアさんは次のように話しました。

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「台所は2つあります。その一つは、祭壇の反対側にありますが、日常生活の調理にはあまり使われません。この台所は、お年寄りが集まって、お茶を飲みながら、おしゃべりをしたりするところであり、お客さんを接待するところでもあります。」

そして、祭壇の反対側にある台所は、義理の娘や女の孫を始めとする子孫が勝手に使ってはいけません。それは、上の人に対する尊敬の現われでもあります。先ほどのヒアさんは次のように話しました。

(テープ)

「残りの台所は、高床式の家の最前の部屋に置かれます。これは、日常生活の調理するところで、何のタブーもありません。また、この台所は、赤ちゃんが生後の1か月間、住むところです。これは赤ちゃんが元気に成長するためだと考えられています。」

現在、近代的な調理器具が使われていても、囲炉りを保っている家族はまだ多いです。これを見て、囲炉りがタイ族の生活でどのような位置を占めているかが想像できるでしょう。

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