チュル族の伝統文化の保存

(VOVWORLD) - チュル族はベトナム中部高原地帯テイグエン地方に居住している少数民族です。人口わずか2万人ですが、チュル族ならではの文化や習慣などをしっかりと守っている民族です。
チュル族の伝統文化の保存  - ảnh 1 ドラを演奏しているビオさん

(テープ)現場の音

チュル族の文化に触れるならば、伝統芸能を抜きにして語ることはできないでしょう。チュル族の代表的な伝統芸能の一つは「タミャ・アリャ」(Tamya Arya)という踊りです。この踊りは、ドラ、太鼓、ひょうたんから作られたラッパの音色と合わせて日常生活でよく踊られるものであり、チュル族のお祭りや行事に欠かせないものでもあります。現代生活の影響で衰退している他の少数民族の伝統舞踊がありますが、チュル族の村に足を運べば、「タミャ・アリャ」をよく見かけています。これは、ベテラン芸人トウネー・マ・ビオさんのような人の大きな努力によるものです。

中部ラムドン省ドンズオン県ラクスアン村に住むビオさんは今年60歳近くですが、「タミャ・アリャ」を踊る時、若い女性のようにしなやかに踊ることができます。ビオさんは7、8歳ごろ、「タミャ・アリャ」を踊れるようにできました。また、チュル族のほとんどの踊りが踊れるとともに、ドラや太鼓などの楽器と多くの民謡を披露することもできます。ビオさんの話です。

(テープ)

「我が民族の文化が大好きで、私の血となり肉となりました。私はこの文化を永遠に保存するため、次世代に伝えるように取り組んでいます。」

ビオさんは先ごろ、国から「優秀芸人」という称号を授与されたラムドン省に住む少数民族出身の芸人9人の中の一人です。しかし、この数十年間、彼女は地元の人々にとって一流の芸人です。彼女はベテラン芸人であるだけでなく、村の多くの子どもに教えている熱心な先生でもあるからです。ビオさんの努力により、多くの子どもがチュル族の伝統芸能に興味を持ち、よく練習しています。

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「私は我が民族の文化にとても興味を持っています。中でも、ドラ、太鼓、ひょうたんからできたラッパの演奏を学んでいます。これは我が民族の独特な伝統文化の保存に貢献したいからです。」

「ビオ先生に教えてもらってから3か月が経ちました。今はドラの演奏の他、いくつかの民謡を歌えるようになりました。将来は、ビオ先生から学んだことを次の世代に教えたいと思います。」

ビオさんは伝統的な芸能の他、伝統的な家具や衣服の保存にも全力を尽くしています。100年以上前に建てられた彼女の高床式の家は、チュル族の伝統的な楽器や家具などをたくさん展示しており、まるでチュル族の伝統文化のミニ博物館のようです。こうしたビオさんはチュル族の伝統文化の保存事業の模範となっています。ドンズオン県ラクスアン村に住むチュル族の一人マサさんは次のように話しました。

(テープ)

「ビオさんはドラの演奏などが上手であるだけでなく、次の世代に教えることにも全力を尽くしており、チュル族の伝統文化保存事業で活躍しています。ビオさんの熱心な指導によって小さい子どもがチュル族の踊りや歌などを上手に披露できるようになりました。チュル族の一人である私は、これを誇りに思っています。」

このようにビオさんが健在である限り、チュル族の伝統文化を保つ決意を固めています。

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