「ヌクナク」の木の実から作るタイ族の料理

(VOVWORLD) - ベトナム北西部に居住している少数民族タイ族は豊かな食文化を誇りにしています。この民族の食文化はいろいろな調味料を使うことによって一つの原料から様々な料理を作るという特徴があります。その中で、「ヌクナク(Nuc nac)」という木の実から作られる料理はこの地の特産品となっています。
「ヌクナク」の木の実から作るタイ族の料理 - ảnh 1ヌクナクの実

高さ7メートルから10メートルの「ヌクナク」はインド・中国南部・東南アジアに分布するノウゼンカズラ科の植物です。薬用植物であるこの木の種子は日本の消費財化学メーカーなどが素材として使われ、ソリザヤノキと呼ばれます。長さが50センチ、幅5センチほどの細長いその実がぶらぶら木から垂れ下がるのをみたら、「舌みたい」と思う人も多いはずです。

このヌクナクの実はベトナム北西部に居住している少数民族タイ族の食文化を支えています。この実は北西部の雨期にあたる7月から9月までの期間に実ります。ヌクナクの実から作られる代表的な料理はヌクナクサラダです。このサラダを作るとき、まずはこの実を木炭で焼いてから、ナイフで黒くなったところを削った後、指の大きさで切ります。その後、様々な山菜と混ぜて、タイ族の代表的なタレ「チャムチェオ(Cham cheo)」をつけて食べます。ヌクナクの実の苦さが、山菜各種の甘さや渋さ、酸っぱさ、そして、チャムチェオの濃い甘辛さとミックスするのは忘れられない味です。

ヌクナクサラダの他、茹でヌクナクや牛肉ヌクナク炒めなどの料理もあります。ソンラ市フアラ村に住むトン・ティ・ビエンさんは次のように語りました。

(テープ)    

「ヌクナクサラダを食べたい人は多いですよ。美味しいサラダを作るためにはヌクナクを焼くのが重要です。よい香りがあるからです。一方で、ヌクナクサラダでも、ヌクナクを焼くことなく、茹でた後、山菜や調味料などと混ぜて食べたい人もいます。また、茹でるだけで食べたい人もいます。そして、水牛肉か牛肉と一緒に炒めるのも美味しいですよ。ヌクナクから様々な料理ができます。」

「ヌクナク」の木の実から作るタイ族の料理 - ảnh 2茹でヌクナク

かつては、ヌクナクを食べる人はタイ族だけでしたが、タイ族の食文化の普及により、この実を食べる人は多くなっています。そのため、森へヌクナクを採りに行くとともに、この木を植えて実を収穫して売る人が増えています。ヌクナクは地元の住民にとって安定した収入源となっています。ソンラ市でヌクナクを売っているクアン・ティ・リエンさんは次のように話しました。

(テープ)       

「かつて、ヌクナクは商品ではなく、タイ族の食用だけでした。だけど、近年、この実を食べたい人が多くなっているので、タイ族の人々は市場へ持って行って売っています。私は彼らから仕入れて、一日に20個から30個を売っています。50個売った日もありますよ。」

こうしたヌクナクは北西部の特産品となっており、多くの観光客に買い求められています。中部ハティン省に住むグエン・ヴァン・ルオンさんは次のように話しました。

(テープ)             

「ソンラ市に行くたび、少数民族タイ族の料理の多くを味わってみたいと思います。タイ族の料理は山から採った原料から作りますが、その中で、ヌクナクは印象的な料理です。ちょっと苦味がありますが、他の山菜と食べると、かつてないほどの味になります。美味しいですよ。」

北西部に足を運べば、是非ヌクナクから作られた料理を味わってみてください。タイ族の豊かな食文化に引き付けられることでしょう。

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