(VOVWORLD) - ベトナム北部山岳地帯のカオバン省クアンウィエン県フジャタプ村は少数民族ヌン族の居住地です。晴れた日にこの村へ足を運ぶと、いたるところに線香を乾燥させている風景の美しさに魅了されるでしょう。
線香の乾燥過程 |
フジャタプ村は、線香製造村として数百年の歴史があることで知られています。この村の線香は、沈香を含む自然の原材料しか使いません。沈香の香りがする線香と、この線香の製造過程は多くの観光客の心を奪っているようです。
フジャタプ村の人々は晴れた日に朝起きて最初にやることは線香とその原材料を庭などで敷いて乾燥させることです。村人の一人ノン・ヴァン・ラップさんは次のように話しました。
(テープ)
「最初は「バウハット(Bau hat)」という葉を乾燥させます。線香の製造は8つの工程がありますが、その中で、森へこの葉を取りに行ってから乾燥させる工程は重要です。この葉から糊を作りますから、この葉がないと、線香ができません。近年、バウハットを植えるようになってから、森へ行かなくても採れます。」
「バウハット(Bau hat)」という葉を乾燥させているヌン族の女性 |
フジャタプ村の線香製造は数百年の歴史がありますが、現在もその製造工程は数百年前と変わらず、すべてが手作りです。線香の原材料は全部、自然のもので、フジャタプ村の周りにある山と森によく生息しています。線香の製造は難しくないですが、質の高い線香をつくるためには、全ての工程を丁寧に取り扱わなければなりません。フジャタプ村の住民ホアン・ヴァン・ティンさんは次のように話しました。
(テープ)
「冬は朝5時に起きて線香を作りますが、夏は4時に起きます。雨の日はちょっと大変です。外で乾燥できないので、台所で乾燥させる仕方ないです。」
フジャタプ村の線香は、自然の香りを持つことと、燃えやすいこと、そして、長く保管できることで有名で、国内だけでなく、外国にも出荷されています。そのため、線香の製造は村人の主要な収入源となっており、村のすべての世帯がこの仕事をしています。フジャタプ村の党書記ホアン・ゴック・キムさんは次のように話しました。
(テープ)
「線香製造は農業より収入がいいですよ。この仕事からの年平均の収入は1世帯あたりに2000万ドンくらいです。」
近年、フジャタプ村は国内外の観光客の多くにとって魅力的な目的地となっています。この村では、自然の香りがたっぷりある線香を買うだけでなく、線香の製造過程を見学したり、ヌン族の文化を体験したりすることもできるからです。