モン族の餅バインザイづくり

今回はモン族にとってなぜバインザイが大切かについてご紹介します。

モン族の考えでは、お餅バインザイ(Banh day)は人間とこの世の動植物のルーツとされる月と太陽を象徴すると思われています。北部山岳地帯ディエンビエン省、ディエンビエン県、ナータウ村に住むモン族は旧正月テトはもちろん、収穫後、お餅を作る習慣があります。

モン族の餅バインザイづくり - ảnh 1

ナータウ村の住民ザン・ア・チヨさん一家は息子と娘合わせて8人家族ですが、彼らは先頃、ディエンビエン省の各民族文化祭りで、バインザイ作り大会に参加し、一等賞を獲得しました。チヨさんはナータウ村のチームは何回もバインザイ作り大会に参加し、何回も受賞したと明らかにし、次のように話しました。

(テープ)

「ご先祖からは何も教わりませんでしたが、バインザイ作りはモン族の風習であることから、成長して、この習慣が分かるようになりました。大晦日の前日、バインザイを作ります。お年寄りから子供まで誰もがバインザイが好きです。1ヶ月ぐらい長持ちします。硬くなったバインザイは油で揚げると美味しくなり、いい香りがしますよ。」

もち米から作った丸い餅はゾン(dong)という葉に包み、日常の食べ物となっています。モン族の人々は畑に出かける時、よくバインザイを持参しています。また、バインザイは死者へのお供え物としても使われます。さきほどのチヨさんは次のように語りました。

(テープ)

「ご先祖のお供えとして、バインザイをつくる風習があります。死んだ祖父母と両親に旧正月テトを楽しんでもらえるよう祭壇にバインザイをお供えします。また、祖父母や両親の命日にもお供えしますよ。つまり生きている人はバインザイ、死んだ人もバインザイを食べるということです。」

旧正月テトが来ると、モン族の集落ではどの家庭もバインザイを作ります。大晦日の前日、家々はおコワを炊き、大晦日の朝、バインザイをつくります。また、午後はモン族の独特の正月テトガー(Tet ga)を祝います。バインザイができるまでまる一日かかります。ザン・ティ・キアさんは次のように明らかにしました。

(テープ)

「美味しいバインザイを作るためには、質のよいお米をよく選ばなければなりません。米粒の大きさが同じで、炊いた後柔らかくなければなりません。一日中、お米を水に浸した後、約一時間かけて、炊きます。また、お餅を潰す前、すったゴマを入れて、混ぜます。また、おコワが熱いうちに、お餅を潰さなければなりません。潰した直後、バインザイを丸い形にする必要があります。」

現在、ナータウ村では数十のバインザイ作りチームがあり、ディエンビエン省の文化祭りなどで行われるバインザイ作り大会によく参加しています。それぞれのチームには男女それぞれ2人がいます。ナータウ村のバインザイ作りチームメンバーのバン・ア・タンさんは次のように語りました。

(テープ)

「昨夜から我がチームはお米を浸しておきました。今朝、おコワを炊き、10分から15分間ですり潰します。潰し棒は重さ30キロから40キロです。おコワが柔らかくなるまで潰さなければなりません。男性が潰し、女性はバインザイを形にします。今日、とても疲れていますが、賞を獲得し、嬉しかったです。これまで、何回もコンテストに参加してきましたよ。」

こうしたことからモン族のバインザイづくり風習は今後も続けられてゆくことでしょう。

 

 

 

 

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