(VOVWORLD) - 少数民族が人口の83%以上を占めている北部山岳地帯のランソン省は少数民族の豊かな文化で知られています。そのため、ランソン省は、少数民族の文化の維持・開発を重要な課題の一つと見なしており、学校で少数民族文化クラブの活動を広げています。
民謡「テン」を披露しているランソン省寄宿高校の生徒たち |
ランソン省寄宿高校では、少数民族文化クラブの活動時間になると、少数民族テイ族の伝統楽器「ティン」のメロディーと合わせて歌われる民謡「テン」が全校に響きます。また、ヌン族の民謡「スリ」に夢中に練習している生徒の姿も見られます。そして、少数民族の伝統料理や民族衣装に関する勉強会、テイ族の文字クラスなどにも多くの生徒が参加しています。
ランソン省寄宿高校の3年生ダム・ティ・ヒンさんの話です。
(テープ)
「私のクラブは週末に活動をすることになっています。クラブで、民謡「テン」や「スリ」を歌ったり、伝統料理を作ったりします。また、クラブは、学習について経験を交流する場でもあります。クラブでは、我が民族の言語を上手く使えるようになるために、我が民族の言語でしかしゃべりません。クラブは、我が民族の文化などをさらに理解するとともに、ソフトスキルや生活の知識を身につけられる場となっています。」
少数民族文化クラブのメンバーは当初わずか20人でしたが、その1年後、全校の生徒600人の3分の2にあたる400人に増えています。生徒たちはクラブで勉強した民謡や踊りなどをビデオクリップにしてSNSに投稿するとともに、ランソン市の歩行者天国でも披露しました。これにより、多くの人々は少数民族の文化を理解できるようになったと評されています。
ランソン省寄宿高校の教師ズオン・ティ・ヌィエンさんは次のように話しました。
(テープ)
「寄宿学校の生徒たちは家族から離れているので、生活には大変なところがありますが、学習はもちろん、スポーツや文芸、クラブなど課外活動にも取り組んでいます。特に、クラブの活動をするとき、創意工夫を凝らして、色々なアイデアを出しまた。彼らは、少数民族の文化を幅広く紹介するために、インターネットをよく調べてそのメリットを活用しています。」
一方、ランソン省寄宿高校の校長ヴオン・スアン・ティエンさんは、少数民族文化クラブは、少数民族の文化を保存・開発するだけでなく、生徒を全面的に成長させるという効果もあると述べ、次のように語りました。
(テープ)
「クラブは生徒たちに我が民族の文化に対する興味を芽生えさせることを通じて、少数民族の文化を守るとともに、生徒がテレビゲームなどに集中しないようにしています。実際、クラブ活動に参加する時、生徒たちは想像力を発揮していろいろなアイデアを出しました。また、生徒たち同士のつながりが強くなっています。これは我が民族の文化だけでなく、他の少数民族の文化も理解できるようなります。彼らは家族に戻ってから、少数民族の文化を保存・開発させる中心的な役割を果たすと思います。」
ランソン省はこれからも、学校内の少数民族文化クラブというモデルを広げて、若者に少数民族の文化への興味を芽生えさせてゆく方針です。