(VOVWORLD) - ベトナム北部山岳地帯のランソン省バクソン県クインソン村は少数民族テイ族とヌン族の居住地で、これらの少数民族の豊かな文化で知られています。その中で、テイ族とヌン族の瓦をつくる瓦製造職業は最も有名で、村人に安定した収入をもたらしています。
乾燥されている粘土 |
クインソン村では100年以上の歴史を持つ瓦づくりは元々、村の高床式の家の屋根に葺かれる瓦を作るために生じたものですが、質の高い瓦なので、周辺だけでなく、国内各地にも出荷されるようになりました。断熱性がよいこの瓦を使う家は夏に涼しく、冬は暖かいと評されています。60年以上、瓦製造職業に携われるベテラン職人ホアン・コン・ゴックさんは次のように話しました。
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「かつては、「マン」瓦と呼ばれましたが、屋根に葺くとき、瓦を交互に組み合わせ、上向きと下向きに葺くので、「陰陽」瓦と呼ばれるようになりました。この瓦は軽いですが、夏には涼しく、冬は暖かいという効果があります。」
よい瓦を作るためには、良質な粘土が最も重要です。そういう意味で、クインソン村の粘土は瓦に最適です。クインソン村の職人たちは粘土を水と混ぜ合わせ練り合わせます。足で踏んでその後手で練ってから、粘土をブロック状にします。そして、厚さ1センチくらいのスライスになるようにします。そのスライスを木材の粘土板に入れて瓦の形にします。
その後、30日間から50日間ほど乾燥させます。粘土が十分に乾燥しないと、よい瓦になりません。完全に乾燥したら、窯に入れて10日間連続で焼きます。よい瓦を作るために、窯の燃料は薪でなければなりません。先ほどの職人ゴックさんは次のように語りました。
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「瓦を窯に入れるとき、まっすぐ並べなければなりません。そうしないと、ひびが入った瓦になってします。そして、最初は徐々に加熱。窯から出る煙がちょっと黄色くなれば、薪を加えて加熱します。でも、窯の壁色がシルバーになれば、減熱しなければなりません。そうしないと、瓦になりません。」
瓦を焼く窯 |
現在、近代的な技術で生産される瓦がたくさんありますが、伝統的な方法で生産されるクインソン村の瓦は依然として人気があります。そのため、地方行政府はこの職業をさらに発展させる方針です。地方行政府の代表ホアン・コン・ホアさんは次のように語りました。
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「地方行政府の関心と職人たちの支援により、若者に瓦の作り教室が開かれています。しかし、地元で瓦の生産基準を満たす粘土がすくなくなり、瓦の材料を確保することは当面の課題となっています。」
また、地方行政府は、瓦の伝統的製造職業を保存・開発するとともに、この職業を体験するツアーも行う計画があります。これは住民の収入増加につながり、この職業の保存と開発に役立つと期待されています。