(VOVWORLD) - 中国と国境を接する最北端のハザン省は、人口の約9割がモン族やテイ族、ザオ族など19の少数民族の居住地で、少数民族の独自で豊かな文化で知られています。そのため、ハザン省は少数民族の伝統文化の保存と開発を重要な課題の一つと見なしています。
モン族のガウタオ祭り |
こうしたハザン省は、一年中少数民族の様々な伝統行事が行われています。その中で、子どもが欲しい家族が神様に子どもを授けてくれるようにと頼むモン族のガウタオ祭りや、プペオ族の森の神に対する礼拝儀式、ザオ族の成人式「カプサク儀式」、ロロ族の先祖参拝儀式、パテン族の火祭り、ラチ族の新米祭り、テイ族の豊作を祈る「ロントン祭り」などは国内外の観光客の多くを引き付けるようです。また、各少数民族は、様々な伝統芸能や民族衣装、伝統的な職業なども保っています。ハザン省文化スポーツ観光局のチエウ・ティ・ティン副局長は次のように語りました。
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「ハザン省は長年、少数民族の伝統文化の保存・開発を目指す対策を講じています。これにより、衰退してきた時期もあったパテン族の火祭りや、ザオ族成人式「カプサク儀式」プペオ族の森の神に対する礼拝儀式、ロロ族の豊作祈り儀式などを回復することができました。また、モン族やザオ族の錦織作りを始め、少数民族の多くの伝統的な職業も保つことができました。そして、少数民族の伝統文化の保存を観光発展と両立させる計画も展開しています。」
ティン副局長によりますと、ハザン省は少数民族の伝統文化を観光発展の原動力と見なしており、2021年から2025年までの観光発展戦略と2030年までのビジョンを立案しました。観光発展戦略では、地域が一体となって、地域の歴史や文化、産業、暮らしなどを保全しながら、これらの地域資源を観光コンテンツに造成するコミュニティ・ベースド・ツーリズムが重視されています。これまで、ハザン省は、16カ所の村でコミュニティ・ベースド・ツーリズムを展開しているとしています。ティン副局長はこれからの課題はハザン省の観光PRを強化することであると述べ、次のように語りました。
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「新型コロナの影響で、わが省は多くの組織や会社と連携して、SNSソーシャルネットワークやインターネットで少数民族の文化をアピールするイベントを行っています。これにより、疫病が流行っていても、国内外の観光客はハザン省の独自な文化を楽しむことができます。これにより、新型コロナの収束後は、国内外の観光客の多くがハザン省へ行きたいかなと思います。また、私たちは、観光客の受け入れ計画も立てました。」
ハザン省の中で、クアンビン県は少数民族の伝統文化の保存と開発で最も際立った成績を上げている県の一つです。同県は、コミュニティ・ベースド・ツーリズムを開発するとともに、ベテラン職人などに頼んで、子どもに伝統的な職業や民謡を教えるクラスを開いています。クアンビン県文化情報課のグエン・チュン・ズン副課長は次のように語りました。
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「クアンビン県は、パテン族の伝統文化の保存・開発プロジェクトや、モン族の独自な文化的価値の開発プロジェクトなどをうまく展開しています。これからも、これらのプロジェクトの効果を高めるために、全力を尽くしてゆきます。」
ハザン省は少数民族の独自で豊かな伝統文化を保存・開発する方針で、持続可能な観光の発展に成功し、有名な観光地になることでしょう。