白モン族の女性

白モン族の女性の衣装はカラフルで、白と明るい緑を基調としています。衣装はスカート、ブラウス、帯、頭巾、そして脚を包むレッグラップという脚絆がワンセットになっています。スカート丈はひざ下まであり真白ですが、残りは色とりどりで、細かなさまざまな形の連続模様がついているのが一般的です。

手刺繍の模様は、クロス、三角型、サークル、スパイラル、S字型などバラエティに富み、色やデザインと調和しています。白モン族の考えによると、これらの模様は太陽、気象、空間、時間を象徴し、モン族の女性の手先の器用さだけでなく、豊かな文化や高い精神性をしています。

ブラウスの襟元はV字型で、身ごろは白ですが、袖には明るい緑を基調にした様々な模様が施されています。この袖は２０枚以上の布からなり、袖を作るのにかなりの時間がかかります。ソンラ省マイソン県ノンモン村に暮らすビ・ティ・リアさんは次のように話しました。 

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「白モン族の女性が身に着ける伝統的なブラウスを作るのにはかなりの時間がかかりますが、中でも２本の袖は時間だけでなく労苦を伴います。袖を作るために、多くの布を縫い合わせなければなりません。袖が完成したら身ごろに縫い付けます」

帯も明るい緑を基調カラーにし、様々な模様が施されて、白モン族の女性衣装の特徴を表しています。腰に巻き付けた帯の端を結ばず、スカートの裾よりちょっと下くらいの長さで、正面から見たときに長方形の帯が身体の中心にまっすぐ垂れているように整えます。幅２０センチ、長さ６０センチのこの帯布にも様々な形をした色とりどりの模様がたくさんついています。ソンラ省トゥアンチヤウ県ロンヘ村に暮らすブ・ティ・チアさんは次のように語りました。

（テープ）

「女性は帯の細部にこだわりを持っており、細かいところまで気にします。そのため、納得する帯が出来上がるまでにすごく時間がかかりますよ。集中すれば、２か月ほどで出来ますが、空いた時間にちょっとずつ作業するようだと、半年、１年かかることもあります。こうした帯は若い時にしか作れません。４０歳を超えたら、あまり作らないですね。目が悪くなり、うまく刺繍できないからです」

そして、頭巾も白モン族の女性衣装の独特の美しさを作り出す重要なアクセサリーの一つです。色鮮やかなウールとビーズがたくさんついたこの頭巾は女性の美しさの基準とされます。

白モン族の女性の衣服は単に身に着けるだけでなく、昔から、女性の器用さを見極める目安にされてきました。モン族の習慣では、女性は、結婚前に自分の結婚衣装を手作りするため、裁縫が上手でなければなりません。ですから、彼女たちは、祖母や母親から、手織りや、刺繍、縫い方などを教わります。先ほどのリアさんは次のように語りました。

（テープ）

「女性たちは誰もが、お祭りやお正月に着用する数着の民族衣装を自分で作ります。一方、女性たちは老後に備え、２着の民族衣装をまだ若いうちに前もって作っておく習慣もあります」

民族衣装を身にまとった白モン族の女性の姿は北部山岳地帯の自然と融合し、その美しさを際立たせていると言えるでしょう。