(VOVWORLD) - 統計総局のデータによりますと、今年通年のベトナム経済の成長率は6%ないし6.5%という国会が設定した目標値を上回る見通しです。
2022年は、新型コロナウイルス感染症や、ロシア・ウクライナ軍事衝突、燃料の価格高騰などにより、世界経済が低迷していますが、ベトナム経済は着実に成長しています。これは、ベトナム政府がとっている効果的かつ臨機応変な措置や、企業の努力などによるものと見られています。
統計総局のデータによりますと、今年通年のベトナム経済の成長率は6%ないし6.5%という国会が設定した目標値を上回る見通しです。
一方、10月に行われた第4回国会会議で出された政府の報告によりますと、今年、国の経済は急速に発展し、社会経済開発計画に定められた15の経済目標の14が達成され、歳入が大きく増加しているということです。
ファム・ミン・チン首相は次のように語りました。
(テープ)
「多くの困難に直面しているにもかかわらず、マクロ経済が安定し、インフレが抑制され、経済のマクロ均衡が確保され、経済が着実な発展を遂げています。また、経済・社会回復・発展計画や、3件の国家目標プログラム、重点的なインフラ整備プロジェクトが効果的に展開されています」
2022年、輸出入には大きな成果がありました。年内の輸出入総額は7500億ドルに達し、前年と比べ500億ドル増加し、その中で、輸出超過額は110億ドルを超えています。
商工省・輸出入局のチャン・タイン・ハイ副局長によりますと、それらの成果は政府の効果的な政策、アメリカや中国など大規模市場と新しい市場の開拓を目指す企業の努力、CPTPP=環太平洋パートナーシップに関する包括的かつ先進的な協定における経済連携協定、EVFTA=ベトナム・EU欧州連合自由貿易協定、RCEP=東アジアの地域的な包括的経済連携協定など新時代の経済協定のメリットによるものです。
ハイ副局長は次のように述べています。
(テープ)
「新型コロナ収束後、ベトナムは早期に生産を回復しています。また、感染症の効果的な抑制も輸出促進に役立ちました。同時に、複数の新しいFTA=自由貿易協定、特に、次世代のFTAが発効されたことも利益をもたらしています。さらに、貿易の円滑化や、行政改革事業の効果も輸出促進に有利な条件となりました」
(写真:統計総局) |
一方、FDI=外国直接投資の誘致もベトナムの経済開発事業に積極的に貢献しています。
今年1月から11月には外国企業の新規投資額や、増資額などが合わせて251億ドルを超え、前年同期と比べ15%増となっています。グローバルなFDIが減少している中で、これは望ましい結果とみられています。
これに関し、エコノミストのレ・ズイ・ビン博士は次のように分析しています。
(テープ)
「これまでの外国投資額がおよそ197億ドルに達していますが、これは投資家の意欲を示しています。同時に、11月の小売高は10月と比べ2%増加しています。これは投資家と消費者の信頼が高まっていることの証です」
国際社会もベトナムの経済の展望を高く評価しています。在ベトナム欧州企業協会は、「ベトナムに進出済みの欧州諸国の企業の45%は自社の経営展望を楽観視しており、42%は増資を検討している」と明らかにしました。
一方、IMF=国際通貨基金や、世界銀行、スタンダード・チャータード銀行は今年のベトナムの経済成長率の予測値を7.5%に上方修正しています。特に、ベトナムの10月の日経コロナ回復指数は75ポイントで、121か国・地域中8位に前進しています。
エコノミストや、国際組織などの好評はベトナムを鼓舞しています。こうした中、ベトナムは、「2023年に経済成長率を6.5%にする」という目標を達成するように全力をあげて取り組んでいく決意を固めています。