(VOVWORLD) - 計画投資省・統計総局の統計によりますと、今年第1四半期のGDP=国内総生産の伸び率は昨年同期と比べ、3.32%増となりましたが、2011年~2023年期の最低レベルにとどまりました。
また、経済をリードする外国直接投資額や輸出入額はいずれも減少しました。このため、今年のGDP成長率を6.5%という目標の達成は難航し、適切な刺激策が必要であるとしています。
第1四半期にベトナムの輸出額は790億ドルを超え、昨年同期と比べ、およそ12%減、輸入額は750億ドルを超え、同じく14・7%減となりました。また、3月30日現在、ベトナムで登録されたFDI=外国直接投資額は54億5千万ドルにとどまり、38.8%減少したとしています。一方、加工・製造業の成長スピードが停滞し、供給過剰や貿易障壁の高まりで輸入市場は困難な状況に陥っています。さらに、キャッシュフロー管理の不備は債券市場、建設および不動産業界に悪影響をもたらしていると指摘されています。
写真撮影:Minh Ngoc
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統計総局のグエン・ティ・フオン局長は次のように語りました。
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「GDPの成長率を6.5%にするというシナリオの実現は極めて難航しています。つまり、世界経済が予想できないほど変動し、パートナー国のニーズが減り、自然災害や武力衝突などが発生している背景の中で、年末までの四半期ごとの成長率は7%から7.5%に達しなければならいないということです」
経済専門家によりますと、今後の経済成長を刺激する要素もあるとしています。具体的にはグローバル企業はベトナムへの投資の継続をコミットしたほか、欧州諸国の企業はベトナムへの投資のシフトを計画しています。また、ベトナムの輸出用のコメの価格は高い水準にあり、国内の食糧安全保障、マクロ経済の安定だけでなく、輸出の増加にも貢献するとしています。経済専門家レ・ズイ・ビン氏は次のように語りました。
(テープ)
「世界経済が停滞している中でも、農林水産業は成長を維持し、観光業は著しい回復を見せ、社会全体、および国家からの投資は依然として増加しており、消費財とサービス業の売上高の総額も増えています。また、15歳以上の就労年齢に達した労働者のうち、就業者の割合は増加する一方、失業率は減少しています」
ベトナムデジタル経済開発研究所のチャン・クイ所長は年末までの経済の安定化と成長の促進を目指す措置について触れ、次のような見解を述べました。
(テープ)
「政府は価格管理、製品・サービスの価格高騰の抑制を強化し、消費者と企業へのプレッシャーを軽減する必要があります。また、企業は競争力や生産プロセスの最適化、製品の質の向上に取り組まなければなりません。さらに、国家は長期的な経済成長の支えであるインフラ整備や教育事業、科学技術研究、ロジスティックスへの投資を強化する必要があると思います。これらはインフレ抑制にも役立つ解決策です」
他方、ベトナム中小企業協会のグエン・バン・タン会長は次のような意見を述べました。
(テープ)
「中小企業を含む産業界に活力を与えるため、金融政策をはじめとする新型コロナ抑制後の回復支援策を継続する必要があります。また、観光回復・開発を目指し、ビザ免除の対象国を拡大しなければなりません。さらに、銀行は優先産業に対する金利の引き下げや債務削減や猶予などを継続するよう提案します」
国際組織は2023年の世界経済の成長に関する異なる分析を出し、ベトナム経済がマイナス影響を受けると予測しています。しかし、政府のリスクの適切な管理や推進力の活用、臨機応変な価格管理などにより、今年全体のGDP成長率を6.5%にするという目標が達成されると期待されています。