(VOVWORLD) - WB=世界銀行によりますと、ベトナムの2020年におけるGDP =国内総生産(GDP)成長率がプラス2.8%に達しますが、IMF=国際通貨基金は2.4%と予測しました。これは世界で5番目に高い成長率となります。また、ベトナムは一人あたりのGDPが プラス成長を維持する世界4カ国に入っています。
2020年、新型コロナウイルス感染症が発生し、ベトナムの経済社会状況に深刻な影響をもたらしましたが、ベトナムはプラス成長を維持するアジア2カ国の一つとなり、国民の生活が基本的に確保されてきました。先ごろ、第14期国会第10回会議で、グエン・スアン・フック首相は2020年と2016年から2021年期の経済社会発展計画の実施状況に関する報告、2021年の計画案、2021年から2025年期の任務・発展方向に関する計画案を読み上げた際、「ベトナム政府は『建設的かつ清廉で、断固たる行動を取る政府の構築』を精力的に実施するとともに、発生した新たな問題や国内外の情勢の変動に臨機応変に対応してきた」と明らかにしました。具体的には新型コロナウイルス感染症が大流行している背景の中で、政府は「疫病対応と経済社会回復」という二重目標を実施し、国民の生活の確保に尽力しています。
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「マクロ経済が安定し、インフレ率が低いレベルに抑えられ、成長の質が向上し、経済バランスが改善されてきました。2020年、疫病による深刻な影響を受けたにもかかわらず、ベトナムは底力を活用し、経済を適当に運営したので、地域と世界で最も高い成長率を遂げた屈指の国々に入りました。IMF=国際通貨基金によりますと、2020年、ベトナムのGDP 規模は2015年の1.4倍となり、ASEANで4位に立つ見通しです。また、2020年、一人当たりのGDPはおよそ2750ドルに達しました。一方、地域と世界情勢が大きく変動している中でもベトナムはマクロ経済の基盤を強化してきました。」
新型コロナウイルス感染症の流行にもかかわらず、ベトナムの貿易活動は前向きな成果を収めてきました。特に、輸出がプラス成長になり、輸出超過額は過去最高を記録しました。今年通年の輸出入総額はおよそ5270億ドルに達し、昨年同期と比べ、1・8%増となりますが、輸出総額はおよそ2670億ドルとなり、昨年比1%増となる見込みです。商工省・貿易振興局のブ・バ・フ局長は次のように明らかにしました。
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「世界のほとんどの国がマイナス成長という背景の中で、ベトナムの輸出額はプラス1%の成長になることは世界の経済界の高評を得ています。こうした成果は全政治システム、とりわけ政府の適切な指導や企業界、国民の努力を示しました。また、貿易振興機関の貢献もあると思います。」
2020年、ベトナムを含め、ASEAN加盟10カ国と日本、中国、インドなどパートナー5カ国の計15カ国はRCEP =東アジア地域包括的経済連携協定を締結しました。これにより、地域とグローバル・バリュー・チェーンの発展が推進され、ベトナムを含むASEAN諸国とパートナー国の経済発展に弾みがつけられると期待されています。一方、今年、ベトナムはCPTPP =包括的かつ先進的環太平洋経済連携協定やEVFTA=欧州連合との自由貿易協定の展開に踏み切りました。これらの協定の実施で収められた成果はベトナム政府の国際参入や改革への公約を示したといえます。
経済専門家のボ・チ・タイン氏は「ベトナムがRCEPを締結し、EVFTAやCPTPPを展開したことはベトナムの地位の確立と魅力的な投資先としてのピーアールに貢献した」との見解を示し、次のように語りました。
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「間接的な影響の傍ら、RCEPは3つの有利な条件を作り出します。その中で、消費者へのサービス分野が恩恵を受けます。広範な地域で、中流階級が一段と増えていることにより、観光、教育、娯楽、医療、小売などの分野は多くの経営チャンスをもたらします。新型コロナウイルス感染症が流行している背景の中でも、この地域は投資家にとって有望な市場となっています。投資の誘致やバリューチェーン、ロジスティックスの推進は裾野産業やサプライチェーン、生産ネットワークの発展に便宜を図ると思います。」
ベトナム政府は国会に提出した2021年の経済社会発展計画案に経済、社会、環境などに関する12の主要な指標を盛り込みました。その中で、GDP=国内総生産の成長率をおよそ6%、一人当たりのGDP をおよそ3700ドルにするという目標が設定されました。新型コロナのパンデミックなどにより、国内外の情勢にはチャンスと試練が絡み合うと予測されています。こうした事情を踏まえ、ベトナムは疫病との戦い、国民の健康保護と経済社会の回復・発展という二重目標の実施を堅持し、マクロ経済の安定化、インフレ抑制、経済バランスの確保に取り組む決意です。2020年の成功は2021年と向こう数年におけるベトナムの成長率の確保に前提を作り出すでしょう。