安定的な成長へ向けてマクロ経済を安定化

(VOVWORLD) - 統計総局の発表によりますと、2020年1月から9月期のGDP =国内総生産の成長率(推定値)は前年同期と比べ2.12%で、前年同期の6.98%から大きく減速しました。また、これはこの10年間で最低を記録しました。

ただし、新型コロナ禍や米中貿易戦争の影響で世界経済が鈍化している中、ベトナム経済がプラス成長を維持していることは、ベトナムが感染症の収束と経済回復に成功していることを示すものと見られます。世界最大手の格付け機関とされるS&P グローバル・レーティング(英: S&P Global Ratings)は、ベトナムがアジア太平洋地域で順調な経済回復を見せている国として2位になると評価しました。疫病を効果的に制圧したことにより、ベトナムは社会的隔離措置を早期に解除し、疫病との戦いと経済回復を両立させる段階に入りました。

4月22日、行われた政府会議でグエン・スアン・フック首相は新型コロナウイルスのワクチンの開発が進められている中で、新常態(ニューノーマル)に挑むよう要請しました。つまり、疫病が流行している中で暮らしながらも、経済社会発展を推進していくということです。ベトナムの重要な経済相手国である世界の10の経済大国をはじめ、多くの国が新型コロナ禍に悩んでいる背景の中で、ベトナムは生産の再構築、国内市場の開拓や各国の需要に応えるような製品の多様化など、あらゆる手を尽くしています。商工省のチャン・トゥアン・アイン大臣は次のように語りました。

(テープ)   

「経済発展を正常化させるには、企業・個人事業主と市民・消費者は重要な役割を果たします。これらの対象者の困難を解決しなければなりません。従って、国家と関係機関のサポートで企業、個人事業主の生産、経営の回復を補助する必要があります。第2、企業が常態に戻るよう、市場開拓の支援は重要な解決策だと思います。」

政府が講じている重要な措置の中に公共投資の実施を加速するという措置があります。グエン・スアン・フック首相は生産経営の困難解決、社会保障、新型コロナ対応に関する任務と緊急措置を打ち出しました。

経済専門家によりますと、今年のGDP成長率は公共投資によるところが大きいとしています。年初からの9ヶ月、国内各地が実施した公共投資額は計画の50%を超えています。首相の経済問題コンサルティンググループのメンバーであるグエン・ディン・クンさんは「公共投資はマクロ経済の調整、貧富格差の縮小、社会不公平の低減において重要な役割を果たしている」との見解を述べました。

民間企業、中小企業は輸出活動の推進に力を入れています。新型コロナが世界各国で大流行し、国際貿易活動が途絶えたにもかかわらず、ベトナムの輸出はプラス成長をとげています。具体的には輸出入総額はおよそ3890億ドルに達し、その中で輸出額は2030億ドルで昨年同期と比べ、4.2%増となりました。また、年初からの9ヶ月に、輸出超過額はおよそ170億ドルに達しています。この成果にはEU=欧州連合向けの履物、コメ、コーヒーの輸出が大きく貢献しました。貿易専門家であるファム・タト・タンさんは次のように語りました。

(テープ)

「EU市場は高級な市場であり、厳しい基準を適用しています。我々はコメを0%の税率でEU市場に輸出することができました。また、パッション・フルーツやコーヒーなどもEUに輸出しています。新型コロナウイリス感染症が流行している中でもベトナムの製品がどんどんEUに輸出されています。ベトナム製品がEUのスーパーの定番棚に多く並べられていると伝えられています。」

特筆すべきことは政府は新型コロナにより深刻な影響を受けた貧困層、損傷を受けやすい人々、自由労働者、小規模な事業主などを対象に社会保障パッケージを初めて実施しました。政府、各省庁、地方が実施している適切な解決策は経済のバランスの確保に役立ち、「疫病との戦いと経済発展」という2重の目標の達成を確保するでしょう。

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