輸出の余地が大きい林産物

(VOVWORLD) -  新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行している背景の中で、ベトナムの木工部門は試練を乗り越え、成長を維持するため、適切な対応策を講じました。専門家によりますと、ベトナムの木工製品の輸出額は高くないものの、林産物の輸出の余地は大きいとしています。

年初からの7ヶ月、ベトナムの木材と木工製品の輸出累計額はおよそ73億2千万ドルに達し、昨年同期と比べ9.6%増となりました。また、木材以外の林産物の輸出額は昨年同期比およそ22%増にあたる5億ドルに達しています。輸出先については、アメリカ、中国、日本は依然としてベトナムの木材と木工製品の輸入国上位3カ国であり続け、同期間のベトナムの木材と木工製品の輸出額の77%以上を占めています。ベトナム木材加工輸出産業はダイナミックな発展を遂げており、木材と木工製品の輸出でASEANでトップ、アジアで第2位、世界で第5位の座を占めています。また、同部門の輸出額は連続して二桁成長を達成し、バリューチェーンと輸出に参加する企業の数は日増しに増えています。10年にわたり、EU諸国向けに木工家具や木製ドアの輸出を行っているウッドランド株式会社の取締役会長兼社長であるブ・ハイ・バンさんは次のように語りました。

(テープ)

「5年前に、我が社はEU市場の要求を見極めた後、2017年から、証明書を発給された木材だけを使用しています。これはEVFTAの発効を控える解決策です。また、アメリカやEUの消費者の需要に応えるような製品を生産しています。顧客は販売者に対し、木材の原産地証明を求めます。」

一方、林業総局のファム・バン・ディエン副局長は「ベトナムは椅子や集成材、木工家具など有力な輸出木工製品が豊かで、その中に、木工家具の輸出額は最高となっている」と明らかにしました。年初からの生産高を基礎に、今年の木材と林産物の輸出額は125億ドルに達すると予測されています。こうした成果はベトナムの木工部門が新型コロナが蔓延している中でデジタル転換をはじめ、適切な変更を行ってきたことによるものであるとしています。ディエン氏は次のように話しました。

(テープ)

「新型コロナが世界的に流行する中でデジタル転換やオンライントレードを加速させてきました。これらの措置は新型コロナに対応するだけでなく、サプライ・チェーンの各業者に便宜を図り、あらゆる状況での生産の確保に貢献するものです。」

ベトナム木材林産物協会のド・スアン・ラップ会長は「ベトナムの木材部門が世界市場でのシェアの増加と発展のため、大きなチャンスに恵まれている」との見解を示し、次のように語りました。

(テープ)

「アメリカと中国の貿易摩擦が激化し、複数の品目の製造拠点がベトナムにシフトしている中で、木材部門はチャンスに恵まれる傍ら、試練にも直面しています。成長を推進するため、木材部門はチャンスを活用し、企業に主力の製品の生産、重要な市場への進出を働きかける必要があります。我が協会はアメリカ向けの木工家具輸出企業からなる協会の設立を準備しています。」

ベトナムが締結した自由貿易協定の恩恵を受け、ベトナムの林産物の世界各国への輸出の拡大が図られる可能性があります。これは今年の林産部門の輸出目標の達成にチャンスをもたらす一方、アメリカ、日本、韓国、中国、EUなどの従来からの輸出市場の順調な開拓を求め、カナダ、インド、ロシアなどの有望な市場への進出にも条件を作り出すとしています。

ご感想

他の情報