今年第1四半期、ベトナムの輸出入累計額はおよそ1540億ドルに達しています。その中で、貿易黒字額が40億ドルを超え、2021年および2022年と比べはるかに増加しています。こうした中、ベトナムの輸出部門は今年の成長率を6％にするという目標を達成するために取り組む方針を打ち出しています。

（写真：Minh Đức）

第1四半期、ベトナムの輸出製品の14の品目は輸出額が10億ドルを上回っています。特に、電話とその部品、電子製品、パソコン、機械・設備、繊維縫製品は50億ドルを突破しています。

繊維縫製部門を例として取り上げますが、同部門はこれまで締結されてきたFTA＝自由貿易協定を活用して、輸出を促進しています。

VINATEX＝ベトナム繊維縫製グループのレ・ティエン・チュオン会長によりますと、同社は生産活動を維持しながら、あらゆるチャンスを掴むように市場研究とあたらしい市場の開発を促進しています。チュオン会長の話です。

（テープ）

「現在、わが社は5つの路線を同時に展開しています。1つ目はグローバルサプライチェーンへの参入。2つ目は社内のサプラインチェーンづくり。3つ目は企業の社会的責任を果たすための環境保護。4つ目はデジタルトランスフォーメーションの促進。5つ目は人材育成となっています」

輸出入局のチャン・タイン・ハイ副局長＝VOV

一方、第1四半期に、農・林・水産物の輸出額は110億ドルを超え、その中で、コメや、果物、野菜の輸出額は急増しています。特に、コメの輸出量と輸出額はそれぞれ19％と30％増となっています。

輸出入局のチャン・タイン・ハイ副局長は次のように明らかにしています。

（テープ）

「現在、コメ輸出は着実に増えています。ベトナムは供給源を維持しています。インドがコメ輸出を停止していますが、これもベトナムのコメ輸出活動にとって有利なことです。また、中国やフィリピンなどベトナムのコメの主な輸出先でもコメ輸入の需要が高まっています。今年、コメ輸出量は700万トンに達する見込みです」

ベトナムの主な輸出先のうち、アメリカは基準が厳しい市場ですが、年初3か月間におけるベトナムからの輸入額がおよそ206億ドルにのぼり、その中のベトナムの貿易黒字は175億ドルに達しています。在アメリカベトナム大使館のド・ゴック・フン貿易参事官は次のような見方を示しています。

（テープ）

「ベトナムとアメリカが共に参加している2国間および多国間協力の枠組みにおいて、両国は支援し合うことができます。アメリカは、COP26＝国連気候変動枠組条約第26回締約国会議で、ベトナムが2050年をめどに温室効果ガスの排出量実質ゼロを目指すと表明したことを高く評価しています。これはベトナムがグリーン経済や、循環経済、環境保護、気候変動への対応などを目指していることを示すものとみられています」

3月31日に行われた貿易振興会議で、グエン・ホン・ジェン商工大臣は、「各機関や、企業は輸出を強化していくための措置をとっている」と明らかにし、次のように述べました。

（テープ）

「国外に駐在するベトナムの通商代表部は所在国の経済状況や、経済政策などを評定し、情勢を正しく予測する必要があります。そのうえで、政府や、各地方行政府、企業共同体に対し、これまで締結されてきたFTAを徹底的に生かし、輸出を拡大させるための方法・措置を提案します。」

今後も、輸出はベトナム経済開発事業の原動力であり続けます。今年、ベトナムは輸出額を前年と比べ6％増に当たる3930億ないし3940億ドルにするという目標を設定していますが、商工部門や、企業共同体、国外に駐在するベトナムの通商代表部をはじめとする外交部門の努力により、この目標は達成されるものと期待されています。